NvidiaはCESでCEOジェンセン・ファンが「Project DIGITS」など注目のAI製品を披露したが、市場全体の落ち込みに巻き込まれ、火曜日には一時6%下落した。

最高値更新直後、一息ついた格好となっている。CESでは新世代「GeForce RTX 50」やロボット向けAI「Cosmos」、業務自動化に役立つ「Agentic AI」など革新的構想も示されている。

Wedbushのダン・アイヴス氏は時価総額3.5兆ドルから5兆ドルをうかがう可能性に触れ、2026年度利益の32倍という株価水準との両立が焦点となろう。

Nvidiaの新製品群が示す次世代AI戦略

米国ラスベガスのCESでジェンセン・ファンが発表した新製品群は、個人用から企業向けまでAIの適用領域を飛躍的に広げる狙いがあるとみられる。特にポケットサイズのAIスーパーコンピュータ「Project DIGITS」は多くの視線を集め、専門的だった高度演算を一気に大衆化する可能性をはらんでいる。

さらに、Blackwellアーキテクチャを採用した次世代GPU「GeForce RTX 50」シリーズや、新たなロボット・自律車両向けAIモデル「Cosmos」も披露され、ハードウェアとソフトウェアの両面で刷新が行われた点が注目される。

こうした戦略がAI需要を一段と押し上げる契機になる可能性があるが、計算負荷や競合参入を考慮すれば、市場全体に浸透するにはなお時間がかかる可能性は拭えないといえよう。

時価総額拡大の背景と株価水準への考察

Nvidiaの時価総額が3.5兆ドル規模に達している事実は周知されるが、複数の専門家は4兆ドル、さらには5兆ドルへの拡大余地を指摘している。Wedbushのダン・アイヴス氏も、これまでの急伸を踏まえながら成長の可能性を強調しており、市場の期待は依然高い。

ただし、この拡大見通しを裏づけるには、次期の売上高や収益が着実に伸び続けるかどうかが焦点となる。現状の株価が推定収益の32倍という水準にあることを踏まえると、足元で過大評価を疑う声が挙がることも否定できない。

CEOの果敢な製品開発姿勢が新たなAI需要を引き出す可能性を感じるが、大型投資の継続が収益性を左右しうるリスクもある。ゆえに投資家は常に最新動向とNvidiaの実行力を見極める視点が不可欠と考える。