次期アメリカファーストレディの公式アカウントから発表された新たなミームコイン「$MELANIA」が暗号資産市場に波紋を呼んでいる。この発表を受け、「$TRUMP」ミームコインはわずか数時間で約40%もの価値を失い、時価総額は130億ドルから84億ドルへ急減した。

新コインの詳細によれば、「$MELANIA」はSolanaブロックチェーンを基盤とし、象徴的な価値観やアートへの支持を目的としている。一方で、ローンチに際しては手際の悪さが指摘され、セキュリティに対する疑念も浮上した。この状況が暗号資産市場に与える影響と、両者の価値競争の行方が注目される。

メラニアコインが提示する新たな価値観と収益構造

「$MELANIA」ミームコインは、Solanaブロックチェーンを基盤とし、デジタル収集品としての側面を強調している。専用ウェブサイトでは、メラニア・トランプの象徴的価値観やアートへの支持を表現することが目的とされている。このコインの総供給量は慎重に管理されており、約15%が一般に公開され、20%がコミュニティ向けに確保される予定である。

この収益構造は、他のミームコインとは異なる特徴を示す。従来のミームコインは市場の投機的な性質に依存することが多いが、「$MELANIA」は文化的価値を基盤とする戦略を選択した。この方針が成功すれば、暗号資産市場に新しいモデルを提示する可能性がある。ただし、このモデルの実効性については、販売手法や市場環境次第で成否が分かれるだろう。トランプ氏の支援が強みである一方、発表時の混乱が市場の信頼を揺るがした点は、今後の課題となる。

トランプコイン急落の背景と市場の反応

「$TRUMP」ミームコインは、発行予定のコインも含めてフル希薄化評価額が約700億ドルに達していた。しかし、「$MELANIA」コインの発表により、この評価額は420億ドルまで下落した。特に注目すべきは、発表前後の短時間で約40%の価値を失った点であり、この急激な変動は暗号資産市場の不安定性を象徴している。

市場では、「$MELANIA」コインのローンチ手法に対する批判が集中している。発表時における手際の悪さや、ハッキングの可能性を疑う声が不信感を助長した。さらに、「ラグプル(詐欺的な撤退)」への懸念が市場心理を冷やしたと考えられる。これに対し、トランプ氏はTruth Socialで発表を支持する姿勢を見せたが、現在の市場動向を回復させるにはさらなる努力が必要であると見られる。

ミームコイン市場の将来と競争の行方

ミームコイン市場は、従来から投機的な側面が強く批判も多い一方で、その影響力を拡大し続けている。「$TRUMP」と「$MELANIA」の競争は、この市場が単なる短期的なブームに終わらないことを示唆している。ただし、市場の信頼性を高めるためには透明性の向上が欠かせない。

トランプ・オーガニゼーションが管理するCIC Digital LLCを通じたコインの運用は、確かな基盤を提供する一方で、利益構造が一部の機関に偏りがちである点が批判の的となり得る。このような状況を改善し、コミュニティ全体の利益を重視した運営モデルを構築できれば、新たな成長の機会を得る可能性が高い。一方で、次期ファーストレディが提示した「$MELANIA」の方向性が成功するか否かは、現時点では不透明である。

Source:
Melania Trump
Forbes
Crypto Briefing