Samsungが2025年に発表したGalaxy S25 Ultraは、同社の最新フラッグシップモデルでありながら、前世代からの進化が限定的であると批判を受けている。特にカメラ性能や充電速度の向上が見られない点は、他の競合モデルとの比較で見劣りする要因となっている。
さらに、独自機能の不足やSペンの機能削減といった要素が、既存ユーザーにとってのアップグレード動機を弱める結果となっている。かつての業界リーダーとして革新を続けてきたSamsungだが、近年は競争力の低下が顕著であり、Galaxy S25 Ultraはその課題を象徴する存在であるといえる。
カメラ性能の限界と競合製品との差

Galaxy S25 Ultraのカメラは、200MPのISOCELL HP2センサーを引き続き採用しているが、これは前モデルであるS24 Ultraと変化がない。超広角カメラが50MPにアップグレードされた点が唯一の改良だが、これも競合製品と比較すれば微々たる進化である。
たとえば、Xiaomi 14 Ultraは1インチセンサーを搭載し、Oppo Find X8 Proも革新的なカメラ機能を持つ。これにより、Samsungのカメラ性能は他社に追い抜かれる形となった。カメラ技術はフラッグシップモデルの競争力を左右する重要な要素である。
それにもかかわらず、3世代続けて同じセンサーを採用する姿勢は、新たな価値を求める顧客を満足させるものではない。これはSamsungが製品開発の優先順位を再考する必要性を浮き彫りにしているといえる。革新性の欠如は、ブランドロイヤルティを失うリスクを伴う。
充電技術の進化停滞が生む影響
Galaxy S25 Ultraの充電速度は、2025年においても45Wの有線充電、15Wの無線充電に留まっている。一方、OnePlus 13は0%から100%の充電をわずか43分で完了する技術を持つ。この差は、日々の生活の利便性に直結する重要な要素であり、Samsungが競争で遅れを取っていることを象徴している。
充電技術は単なる数値以上の価値を持つ。特に忙しい日常において、短時間で充電できる技術はユーザーの体験を大きく向上させる。また、SamsungはQi2に対応したマグネット式無線充電を導入したが、これも対応ケースが必要なため、利便性が限定される。
こうした小幅な進化が重なることで、他社との差が徐々に広がっている現状をSamsungは深刻に受け止めるべきである。
独自機能の減少がもたらすブランド価値の低下
Galaxy S25 UltraではGoogleのAIアシスタント「Gemini」が導入されているが、これは他のAndroidデバイスでも利用可能であり、Samsung独自の魅力とは言い難い。また、Sペンのリモートシャッター機能が削除されるなど、従来のユーザーが期待していた独自性が薄れている。
このような変化は、同ブランドの特徴であった多機能性や独自性を損なう結果となっている。独自機能の削減は、ブランドの差別化に直接影響する要素である。Samsungは、これまで他社にはない革新的な機能を提供することで市場をリードしてきた。
しかし、近年の製品ラインアップにはその勢いが見られず、競争力を低下させている。ブランド価値を維持しつつ、新たなユーザー層を獲得するためには、再び革新性に焦点を当てる戦略が求められる。
Source:Android Police