米国証券取引委員会(SEC)の新体制が、TRUMP、DOGE、BONKといったミームコインに基づくETF承認の可能性を高めていると仮想通貨業界が注目している。ドミトリ・ラディン氏は、新SEC指導者のトランプコインへの親和性がこれらETFの承認に寄与する可能性を指摘した。

一方、ARK Investのキャシー・ウッドCEOは、トランプミームコインには投資せず、引き続きビットコインなどの主要仮想通貨に注力する方針を強調。さらにトランプ家がEthereum上で大規模ビジネスを展開する可能性にも憶測が高まっている。こうした動向は、仮想通貨市場全体に新たな変革の波を呼び起こしつつある。

ミームコインETF承認の背景に潜む規制変化と市場の新たな潮流

米国証券取引委員会(SEC)の新指導体制が、仮想通貨規制の方向性に影響を及ぼしている。特にミームコインETFの申請数が増加する背景には、トランプ元大統領の仮想通貨「TRUMP」の台頭と、それに伴う市場の注目度の高まりが挙げられる。SECがこれらのETF申請を受け取ったのは象徴的であり、仮想通貨が主流の金融商品へと近づく兆しともいえる。この動きは、トランプ家がEthereumベースのビジネスに関心を示しているとの憶測と相まって、新たな投資機会への期待感を醸成している。

しかし、この変化はリスクも伴う。Zekret創設者のドミトリ・ラディン氏は、SECの新メンバーの政策が市場の流動性を高める可能性を示唆しつつも、急速な規制変更が一部投資家に不安をもたらす可能性を指摘している。この潮流が仮想通貨市場全体にどのような影響を及ぼすかは、引き続き注視すべき重要な課題である。

キャシー・ウッドが描く「ビッグスリー」戦略の真意

ARK Investのキャシー・ウッドCEOは、仮想通貨市場が成長を遂げる中でもビットコインなど主要な3つの仮想通貨、いわゆる「ビッグスリー」に集中する方針を貫いている。この選択は、仮想通貨市場における信頼性と実用性を重視する戦略といえる。ウッド氏は、TRUMPミームコインについて「実用性が不透明である」と評し、短期的な流行には追随しない姿勢を鮮明にした。

この戦略は、過去のICOブームと比較する視点にも裏打ちされている。ウッド氏は、2017年のICOムーブメントで多くの投資家が失望を経験した事実を挙げ、慎重な投資判断の重要性を説いている。一方で、ミームコインの流行が市場の一部を活性化させている現状も無視できず、これらの動向が長期的な投資にどのような影響を与えるのかは議論の余地がある。

トランプ家が仮想通貨業界に与える影響力の拡大

トランプ家が仮想通貨業界における存在感を増している背景には、ブランド力の活用がある。Ethereum共同創設者ジョセフ・ルービン氏は、トランプ家がEthereum上で「巨大なビジネス」を構築する可能性を示唆した。この発言は、トランプ家のミームコインが単なる話題性を超え、実際の事業展開に結びつく潜在力を持つことを示している。

このような動きは、仮想通貨業界における著名人の影響力を改めて浮き彫りにしている。一方で、トランプ家の活動が仮想通貨市場全体に与える影響については評価が分かれる。短期的な価格上昇だけでなく、長期的な市場の信頼性や規制環境に対する影響も無視できない課題である。トランプブランドが今後どのように市場を形成するのか、引き続き注目が必要である。

Source:Cointelegraph