Microsoftは、Windows 11の最新ビルドでiPhoneの認識機能をスタートメニューに統合する新機能を導入する。従来、iPhoneとWindows PCの連携には「Phone Link」アプリを利用する必要があったが、今後はスタートメニュー上にiPhoneの情報を直接表示できるようになる。このアップデートにより、バッテリー残量やメッセージの通知確認、簡単なファイル共有が可能となる。
ただし、iPhoneではAndroidと異なりBluetooth LE接続が必要となり、メッセージの画像添付やグループチャット機能は依然として非対応である。スタートメニューの隣にiPhoneのウィンドウが表示され、バッテリー残量や最近のアクティビティを素早く確認できるが、完全なiPhoneミラーリングには至らない。
この機能は現在、Microsoft Insiderプログラムのプレビュー版Build 4805で提供されており、一般向けの公開は年内に予定されている。Macを持たないユーザーにとっては、一定の利便性をもたらすものとなるだろう。
iPhoneとWindows 11の連携強化の背景と狙い

Microsoftは近年、異なるデバイス間のシームレスな連携を重視しており、今回のアップデートもその一環である。特に、Androidユーザーに比べiPhoneユーザーはWindowsとの統合が限定的だったため、新機能の追加は利便性の向上に直結する。
AppleのエコシステムはMacやiPadとの統合を前提としており、Windows PCとiPhoneの連携は制限されがちであった。Microsoftはこのギャップを埋めるため、Phone Linkを進化させ、iPhoneの基本的な操作をWindowsから可能にするアプローチを取っている。今回のスタートメニュー統合もその流れの中にある。
制約が残るPhone Linkの限界と今後の展望
現在のPhone Linkは、iPhoneユーザーに対してAndroidほどの機能を提供できていない。特にメッセージの画像送受信、グループメッセージ対応、通知のインタラクティブ操作が未対応であり、Windowsとの完全な連携には至らない。
一方で、MicrosoftはPhone Linkのアップデートを継続しており、将来的にはiPhoneとの統合がさらに進む可能性がある。AppleのエコシステムがWindowsとの相互運用を制限している点は依然として課題だが、今後のアップデート次第で機能の拡張が期待される。
Source:Macworld