MSIは最新GPU「GeForce RTX 5090」の出荷を2月6日へ延期すると発表した。当初の計画より1週間遅れる形となるが、1月30日からの予約受付は予定通り行われる。遅延の原因はNvidiaの新アーキテクチャ「Blackwell」に関連する供給不足と考えられるが、MSIは詳細を明かしていない。

この影響はMSIの公式米国ストアでの予約注文に限定されるが、他の販売業者の在庫状況は不透明だ。RTX 5090は32GBのVRAMを搭載し、AI開発者やPCエンスージアストにとって注目のモデルである。一方、RTX 5080は比較的安定した供給が見込まれ、即日出荷される予定だ。

過去のGPU供給不足と比較すると、今回の遅延が長期化するかは不明だが、初期在庫の限られるRTX 5090は競争が激化する可能性がある。転売市場の動向にも注意し、早期の予約が確実な入手の鍵となるだろう。

RTX 5090の供給遅延が示す市場の現状

MSIの出荷遅延は単なる物流の問題にとどまらず、高性能GPUの需要と供給のバランスが崩れていることを示している。特に「Blackwell」アーキテクチャを採用したRTX 5090は、AI処理やゲーミング性能の向上により、幅広い層から高い需要を集めている。

一方で、半導体供給の不安定さが続く中、NvidiaやAIBメーカーが迅速に供給量を増やせるかは不透明だ。これまでのGPU市場の動向を踏まえると、発売初期における品薄状態は価格の高騰を招く可能性が高い。特に転売市場では、MSRPを大幅に上回る価格で取引されるケースが増加することが予想される。

RTX 5090の技術的優位性と競争力

RTX 5090は、32GBのVRAMを搭載し、Nvidiaの最新技術を採用することで、従来のハイエンドGPUと比較して飛躍的な性能向上を果たしている。特にAI処理やクリエイティブ用途において、その大容量メモリはワークステーション級の作業にも対応可能である。

また、ワークステーション向けのRTX 6000 Adaが約7,000ドルで販売されていることを考慮すると、RTX 5090はそれと比べてコストパフォーマンスに優れた選択肢となる。エンスージアスト層にとっては、RTX 5090が次世代GPU市場の新たな基準を示すモデルとなる可能性が高い。

転売市場の影響と今後の展望

RTX 5090の品薄状態は、転売市場の活性化を促す要因となる。過去のGPU供給不足時と同様に、予約受付開始直後から転売業者が大量に購入し、市場に流通する前に価格を引き上げる事態が懸念される。

こうした状況に対応するため、MSIや他のメーカーがどのような対策を講じるかが鍵となる。メーカー側が供給を安定させるために増産計画を発表するか、市場の在庫が一定水準に達するまで価格変動が続くのか、今後の動向が注目される。

Source:Tom’s Hardware