NVIDIAは最新のGeForce Game Readyドライバーに新機能「Smooth Motion」を導入した。GeForce RTX 50シリーズ向けのAIフレーム生成技術で、DLSS未対応のゲームにも対応する。Smooth Motionは、2つのレンダリング済みフレームの間にAIが補間フレームを生成することで、より滑らかなゲームプレイを実現する。DirectX 11および12のゲームで利用可能で、NVIDIAアプリの設定から簡単に有効化できる。
この技術は、AMDの「Fluid Motion Frames 2」と類似しているが、AIを全面的に活用する点が特徴だ。特に古いゲームへの適用効果が注目されており、今後の検証が待たれる。
また、最新ドライバーでは『Kingdom Come: Deliverance II』のDLSS対応や『Marvel’s Spider-Man 2』の最適化も行われた。さらに、RTX Video Super Resolutionの改良により、GPU使用率が最大30%削減され、HDR動画のアップスケール機能も追加された。今回のアップデートにより、NVIDIAはさらなるゲームプレイ向上と映像体験の強化を図っている。
AIによるフレーム生成の仕組みとその影響
Smooth Motionは、AIがレンダリング済みの2フレームの間に補間フレームを生成することで、より滑らかな映像を実現する。この技術はDLSSフレーム生成と異なり、既存のフレーム間のデータを解析し、新たなフレームをAIが予測的に生成する。
この仕組みにより、従来のフレームレート向上手法と比較して、応答速度を損なうことなく滑らかさを向上させることが可能となる。特に、ネイティブ解像度でのゲームプレイやスーパー解像度技術と組み合わせることで、より高精細な映像を実現する点が特徴だ。
AMDのFluid Motion Frames 2が同様の機能を持つものの、NVIDIAのSmooth MotionはAIの精度と適用範囲の広さで差別化を図っている。特に、互換性の高いDirectX 11および12対応タイトルへの適用が容易である点は、ゲーマーにとって大きな利点となる。
NVIDIAの戦略と市場への影響
NVIDIAのSmooth Motionの導入は、同社のAI技術への投資とその成果を示すものといえる。近年、AIを活用した映像技術は進化を遂げており、DLSSやRTX Video Super Resolutionなど、リアルタイムでの品質向上技術が強化されている。
競争相手であるAMDがFluid Motion Frames 2を発表したこともあり、NVIDIAはより高精度なフレーム生成を実現することで、市場競争力を維持しようとしている。特に、フレームレートの向上を求めるゲーマーやコンテンツクリエイターにとって、新たな技術の選択肢が広がることは歓迎すべき変化である。
今後のドライバーアップデートやゲーム側の対応次第では、Smooth Motionが標準機能として定着する可能性がある。これにより、従来のレンダリング手法に依存しない、より柔軟なフレーム生成技術の発展が期待される。
Source:Wccftech