ASUSのQ-Release Slim PCIeスロット搭載マザーボードを使用する一部のユーザーから、GPUに傷がついたとの報告があった。これを受け、ASUSは内部テストを実施し、「心配する必要はない」との結論を発表した。ASUSは、頻繁な抜き差しによる摩耗は避けられないものの、機能に影響を及ぼす損傷は確認されていないと説明。適切な取り外し手順を守れば問題を回避できるとし、異常が発生した場合は責任を持って対応すると保証している。
この問題はハードウェアレビュアーが指摘したものであり、一般のユーザーが数回GPUを抜き差しする程度では深刻な影響はないと考えられる。しかし、ASUSの推奨する「前後に動かしながら引き抜く」方法に対し、一部からは違和感があるとの声も上がっている。
Q-Release Slimは主にゲーマーやクリエイター向けの高価なマザーボードに採用されているが、従来のQ-Releaseシステムではこの問題は報告されていない。ASUSの今後の対応が注目される。
Q-Release Slimと従来のQ-Releaseの違い
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ASUSのQ-Release Slimは、従来のQ-Releaseと比較してGPUの取り外しを容易にする設計が採用されている。従来のQ-Releaseでは、ボタンを押すことでラッチが開き、GPUを簡単に取り外せる仕組みだった。
一方、Q-Release Slimでは、ボタンを押した後にGPUを前後に動かして取り外す方式となった。この違いにより、ケースの設計や設置環境によってはスムーズな取り外しが困難になる可能性が指摘されている。特に大型GPUやATXケースを使用する環境では、PCケースの背面が干渉する場合がある。
この変更は、最新の高性能マザーボードに搭載されることで注目を集めているが、従来の方式に慣れたユーザーには違和感を与える要因となっている。利便性向上のための設計変更が、結果として別の問題を引き起こしている側面もある。
ユーザーの懸念とASUSの対応方針
一部のユーザーは、Q-Release Slimによる傷や摩耗について懸念を示している。特に頻繁にGPUを交換するレビュアーやエンスージアストにとって、取り外し手順の変更は実際の使用感に大きな影響を与える要素となる。
ASUSはこの問題について、公式手順に従えば損傷のリスクは低いと説明している。また、傷や摩耗が発生した場合でも、機能に影響を及ぼさないことを内部テストで確認したとしている。さらに、異常が発生した場合には、メーカーとして責任を持って対応すると保証している。
ASUSの対応は迅速であり、コミュニティマネージャーを通じてRedditなどのフォーラムにも声明を発表した。ユーザーからの意見を取り入れながら、今後の製品改良にどのように反映させるかが注目される。
Source:PCWorld