Nvidiaは最新のGPUドライバー(バージョン572.16)を発表し、DLSS 4を公式にサポートしていないゲームやアプリにも適用できる「オーバーライド機能」を追加した。この機能により、画像品質の向上やVRAM使用量の削減が可能となる。さらに、RTX 40シリーズGPU向けには従来比40%高速なフレーム生成技術が導入されるなど、多くの最適化が施された。

また、Nvidiaは「RTX Video Super Resolution(VSR)」を強化し、低解像度のHDR動画の画質向上にも対応させた。さらに、RTX 50シリーズでは「DLSS Multi Frame Generation」により、1つのレンダリングフレームごとに3つの追加フレームを生成できる新機能が導入される。この技術は、高い基本フレームレートを持つゲームにおいて特に有効であると評価されている。

RTX 50シリーズ専用の「Smooth Motion」も発表された。この機能はAIを活用し、DLSS Frame Generationをサポートしていないゲームでも滑らかな映像を実現する。2つのレンダリングフレームの間に推測されたフレームを挿入することで、知覚されるフレームレートが2倍になるとされる。

新しいドライバーは本日よりダウンロード可能であり、Nvidiaアプリを通じても入手できる。既存のRTXユーザーにとっても大きな恩恵があるこのアップデートは、最新のGPU技術を最大限に活用する機会となるだろう。

DLSS 4のオーバーライド機能がもたらす影響

今回のアップデートにより、DLSS 4の適用範囲が大幅に拡張される。従来、DLSSの利用は開発者が公式対応したタイトルに限定されていたが、新機能によりサポート外のゲームやアプリでもAIによる画像補完技術を享受できるようになった。

この技術は、特に旧世代のゲームやグラフィックエンジンを使用しているタイトルで顕著な改善をもたらす。DLSS 4のアルゴリズムは、リアルタイムで高精細なフレームを生成し、描画負荷の軽減にも寄与する。特にVRAM使用量が問題となる環境では、パフォーマンス向上とビジュアル品質の両立が可能となる。

一方で、すべてのタイトルが同様に恩恵を受けるわけではない。DLSS 4のアルゴリズムが適用しづらいシーンや、動的要素が多いタイトルでは意図した効果が発揮されない場合がある。こうした点を踏まえ、ユーザーはゲームごとの最適設定を試行錯誤する必要があるだろう。

RTX 50シリーズの新技術「Smooth Motion」の実力

RTX 50シリーズに搭載された「Smooth Motion」は、DLSS Frame Generationをサポートしていないゲームに新たな可能性をもたらす。従来のフレーム生成技術と異なり、この機能はリアルタイムで追加のフレームを挿入し、映像の滑らかさを向上させる。

この技術は特に競技性の高いFPSやレースゲームなど、高フレームレートを求めるジャンルで大きな影響を与える。GPUの負荷を抑えながら、知覚されるフレームレートを2倍に引き上げることができるため、レスポンスの向上が期待される。

ただし、この機能も万能ではない。元のフレームレートが低すぎる場合、追加フレームによる補完効果が限定的となる。また、特定のジャンルでは遅延や映像の不自然な変化が生じる可能性があるため、ゲームごとの適用可否を慎重に判断することが求められる。

DLSS Multi Frame Generationの新たな可能性

DLSS Multi Frame Generationは、RTX 50シリーズの中核技術のひとつであり、1つのレンダリングフレームごとに3つの追加フレームを生成する機能を持つ。この技術は、特に高リフレッシュレートの環境において大きな効果を発揮する。

ゲームの基本フレームレートが十分に高い場合、この技術により100fpsを超える映像を容易に実現可能となる。ただし、30fps程度のタイトルでは、見た目のフレームレートが向上しても入力遅延の影響が残るため、すべての状況で最適とは限らない。

この機能の恩恵を最大限に引き出すためには、DLSS Super Resolutionとの併用が推奨される。高解像度設定を維持しつつ、滑らかなゲームプレイを実現するための選択肢として、今後のタイトルでも活用が進むことが期待される。

Sourcer:The Verge