人工知能(AI)市場の急成長が続く中、Super Micro Computer(SMCI)は高性能サーバー技術を提供するリーディング企業として注目を集めている。特に、Nvidia(NVDA)の次世代Blackwell AIチップの導入が、Super Microの成長を加速させる要因として市場関係者の関心を引いている。

しかし、2024年に入り同社の株価は不安定な動きを見せている。会計不正の疑惑や四半期決算の提出遅延が投資家心理を冷やし、一時13%の急落を記録するなど、厳しい局面を迎えている。それにもかかわらず、1月23日にはLoop CapitalがSuper Microの「買い」評価を再確認し、目標株価を35ドルから40ドルへ引き上げた。この決定は市場にとって意外な展開となり、注目が集まっている。

Loop Capitalの評価変更とその根拠

Loop CapitalのアナリストAnanda Baruah氏は、Super Microの成長ポテンシャルを評価し、特にGB200およびGB300の導入拡大が今後の業績に大きく寄与すると指摘した。さらに、同社の2大顧客が2025年に向けて大規模な計画を立てており、その恩恵を受けることは不可避だと見られている。

一方で、Baruah氏は「2025年前半は不安定な展開が続く可能性があり、特に5月から6月にかけては供給の遅れが影響する」とも警告している。このため、目標株価に達するまでの道のりは平坦ではないと考えられる。

株価の見通しとリスク要因

現在、Super MicroはNasdaqの規則に基づき、財務報告の提出を2月25日までに完了する必要がある。この期限を守れば株価の上昇要因となるが、提出が遅れれば上場廃止リスクも生じる可能性がある。市場関係者の間では、この提出期限が今後の株価動向における重要な分岐点になると見られている。

また、現在の株価バリュエーションは業界平均と比較して割安であるものの、この評価には上場リスクが織り込まれているため、慎重な投資判断が求められる。アナリスト13名の評価では、「ホールド」が多数を占めるが、平均目標株価は49.56ドルと現在の水準から77%の上昇余地があるとされている。

AI市場の拡大とSuper Microの成長戦略

AI市場の成長が加速する中、Super Microは高性能コンピューティングソリューションの提供を強化している。同社は、AIの大規模な計算処理を支えるために、エネルギー効率の高い高密度サーバーを開発し、企業や研究機関向けの需要を取り込んでいる。

特に、Nvidiaの最新AIチップとの連携を強化することで、Super Microのサーバー需要は拡大が見込まれている。同社のモジュール式アーキテクチャは、大量のデータ処理が求められるAIモデルのトレーニングや推論に適しており、市場競争力を高める要因となっている。

Source: Barchart.com