NVIDIAが新たに開発した「Smooth Motion」技術が、GeForce RTX 40シリーズGPUでも利用可能になる見通しだ。これにより、すべてのゲームにおいてフレーム生成(Frame Generation)が有効になり、より滑らかなゲームプレイが実現する。
Smooth Motionは、AMDの「Fluid Motion Frames」に対抗する形で開発された技術であり、DLSSをサポートしていないタイトルでも恩恵を受けられる。これまで、この技術は最新のBlackwell GPU(GeForce RTX 50シリーズ)向けに限定されていたが、NVIDIAはGeForce RTX 40シリーズへの対応を公式に認めている。
DLSS非対応ゲームにも恩恵、AIモデルを活用
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従来、NVIDIAのRTX GPUでは、DLSS(Deep Learning Super Sampling)をサポートするタイトルでのみ、AIによるフレーム生成が可能だった。しかし、Smooth MotionはドライバベースのAIモデルを採用し、DLSS非対応のゲームでも追加フレームを生成できる。
この技術は、DirectX 11およびDirectX 12を採用するゲームに適用可能であり、GPUドライバのアップデートを通じて提供される見込みだ。設定方法については、NVIDIAアプリの「Graphics > Program Settings > Driver Settings」から有効化できるとされている。
NVIDIAとAMDの技術競争が加速
Smooth Motionの導入により、NVIDIAはAMDのAFMF(AMD Fluid Motion Frames)に対抗する手段を手に入れることになる。AFMFは、AMDが展開するフレーム補間技術であり、主にRadeon GPUユーザー向けに提供されている。
一方、DLSSはゲーム開発者によって直接ゲーム内に組み込まれることで最適化されており、Smooth Motionと比較して高い精度とパフォーマンスを誇る。ただし、DLSS非対応のゲームではSmooth Motionが有力な代替手段となる可能性がある。
フレーム生成技術の進化と今後の影響
Smooth Motionの導入により、NVIDIAのGPUはDLSS非対応のタイトルでも高フレームレートを実現する手段を獲得した。この技術は、特にクラシックタイトルやインディーゲームなどの最適化が進んでいないゲームにとって恩恵が大きい。
ただし、AIを活用したフレーム生成技術には、アーティファクトの発生や入力遅延といった課題も存在する。DLSSと異なり、Smooth Motionはゲームエンジンとの直接的な連携がないため、完全な代替技術となるかどうかは今後のアップデート次第だ。
NVIDIAがRTX 40シリーズへの対応を進める一方、RTX 30シリーズ以前のGPUでこの技術が利用可能になるかは不透明である。競争が激化する中、NVIDIAがどのように技術を進化させていくかが注目される。
Source:Wccftech