Meta PlatformsのCEO、マーク・ザッカーバーグ氏は、2025年を「AIにとって決定的な年」と位置付け、人工知能(AI)関連のインフラ構築に600億~650億ドルを投じる計画を明らかにした。この投資には、ルイジアナ州に2ギガワット規模のデータセンターを新設する計画が含まれ、AIチームの大幅な拡充も予定されている。
ザッカーバーグ氏は、知的でパーソナライズされたAIアシスタントが10億人以上に普及する年になると予想しており、AI技術の進展が同社の主力製品・事業を推進すると強調した。この発表を受け、Metaの株価は一時1.6%上昇し、投資家からの期待が高まっている。
MetaのAI投資戦略が示す次世代の成長ドライバー
Meta PlatformsのCEO、マーク・ザッカーバーグは、2025年を「決定的な年」と位置付け、人工知能(AI)への巨額投資を進めている。同社は600億~650億ドルを投じ、AI関連のインフラ構築を本格化させる方針を示した。この投資の中心には、ルイジアナ州に建設予定の2ギガワット規模のデータセンターがあり、MetaのAI技術の基盤となる見込みだ。
AIの進化はMetaの各種サービスにも影響を及ぼす。特に、AIアシスタントのユーザー数は現在7億人に達しており、2025年には10億人を超える可能性があるとされている。AI技術の高度化が進めば、Metaの広告事業やメタバース戦略にも波及し、企業価値の向上に寄与することが期待される。ザッカーバーグは「優秀な中級エンジニアと同等の能力を持つAIエージェントの構築」が視野にあると語り、AI開発の方向性を明確に示した。
この投資が今後のMetaの成長をどこまで支えるかは未知数であるが、競争が激化するAI市場においてリーダーシップを確立する動きは、長期的な戦略の一環として注目される。市場ではこの動きを好感し、Metaの株価は一時1.6%上昇した。投資家の期待が高まる中、AIを軸にしたMetaの成長戦略がどのように実を結ぶのかが、今後の焦点となる。
AIグラスとThreadsの展開が示すMetaの次世代ビジョン
Metaは、AIグラスの開発に多額の投資を続けており、2025年が「AIグラスの軌道が明確になる年」と位置づけられている。ザッカーバーグは、これが「次世代のコンピューティングプラットフォームになり得る」と述べ、スマートグラス市場の競争激化を見据えた戦略を示唆した。現在のところ、AIグラスや仮想現実(VR)デバイスが大きな収益を生んでいるわけではないが、長期的にはMetaの事業成長に寄与する可能性がある。
また、MetaはThreadsの収益化にも取り組んでいる。ザッカーバーグは、Threadsが「主要なディスカッションプラットフォーム」となることを目指し、広告テストを開始したと発表した。現在は収益への影響は限定的だが、ユーザー数が10億人規模に拡大すれば、新たな収益源としての地位を確立する可能性がある。
これらの取り組みは、Metaの多角的な成長戦略の一環である。AIグラスがスマートフォンに代わる主要デバイスとなるかは未知数だが、Metaがこの領域で先行していることは間違いない。一方で、ThreadsがX(旧Twitter)に対抗する存在になるかどうかも、今後の運営次第である。これらの新技術がどのように成長し、収益に結びつくのか、投資家の関心が集まっている。
TikTokの行方と政府との関係がMetaの未来を左右する
2025年には、TikTokを巡る政治的決定が下される見込みであり、Metaの事業に大きな影響を与える可能性がある。ドナルド・トランプ前大統領がTikTokを所有するバイトダンスに75日間の猶予を与えていたこともあり、TikTokの売却や規制強化が進む可能性がある。買収の候補者には、Microsoftやイーロン・マスクなどの名前が挙がっており、TikTokの今後の動向がMetaの市場戦略に大きく関わってくる。
また、Metaは2024年の米大統領選を控え、政府との関係改善を模索している。特に、ファクトチェックプログラムを終了し、「コミュニティノート」モデルへ移行したことで、政治的なバランスを取る姿勢を示している。これにより、広告主の離反が懸念されていたが、現時点では広告支出に大きな影響は出ていないとされる。
これらの要素は、Metaの株価にも影響を及ぼす。TikTokの行方次第では、Metaの「リールズ(Reels)」の成長機会が拡大する可能性がある一方で、政府との関係が悪化すれば規制のリスクが高まる。Metaがどのように政治環境を乗り切るのか、投資家にとっても重要なポイントとなっている。
Source:Barchart.com