アルファベット(GOOGL)は、火曜日の市場閉鎖後に第4四半期決算を発表する予定であり、アナリストの多くは同社の株価に対して強気の見解を示している。Visible Alphaが追跡する19人のアナリストのうち、15人が「買い」評価を出し、コンセンサス目標株価は約219ドルと、金曜日の終値204.02ドルに対して約7%の上昇余地があると見込まれている。

一方、中国のスタートアップであるDeepSeekが高度でコスト効率の高いAIモデル「R1」を発表し、AI分野における競争が激化している。この状況下で、アルファベットのAI戦略と投資がどのように展開されるかが注目されている。

アルファベットの業績見通しと市場の評価

アルファベットの第4四半期決算は、広告収益の回復とクラウド部門の成長を背景に堅調な業績が予想されている。Visible Alphaのデータによれば、同社の収益は前年同期比12%増の966億ドル、純利益は261億9,000万ドル(1株あたり2.12ドル)と見込まれており、これは前年の206億9,000万ドル(1株あたり1.64ドル)を上回る水準である。

また、投資銀行Jefferiesはアルファベットの株価を235ドルと評価し、これは市場のコンセンサス目標株価219ドルを上回る。Jefferiesの分析によれば、Googleの広告収益が安定していること、Google Cloudの需要が引き続き拡大していることが株価を支える要因となる。特にクラウド事業は、企業のデジタルシフトが進む中で成長が見込まれ、競争環境が激しいものの、引き続き収益の柱となる可能性が高い。

さらに、Bank of Americaのアナリストは、同じくテクノロジー大手であるMetaの決算が良好であったことを踏まえ、同様にアルファベットの決算にもポジティブな影響が及ぶと指摘する。MetaはAI分野への積極的な投資を継続しており、この動きがアルファベットの戦略にも影響を与える可能性がある。これらの要素を踏まえ、アルファベットの株価には依然として上昇余地があると多くの市場関係者が見ている。

AI競争の激化がアルファベットに及ぼす影響

アルファベットは、生成AIの分野でMicrosoftやOpenAIと競争を繰り広げる中、中国のスタートアップDeepSeekが開発した新たなAIモデル「R1」の登場により、さらなる競争圧力に直面している。DeepSeekのAIモデルは、コスト効率の高さと高度な性能を兼ね備えており、特に新興市場において注目されている。これにより、アルファベットを含むビッグテック各社のAI投資の方向性に影響が及ぶ可能性が指摘されている。

Raymond JamesやBank of Americaのアナリストは、DeepSeekの技術的進展がアルファベットのAI開発における緊急性を高めると分析する。特に、AI分野での競争が収益性や市場シェアに及ぼす影響について、投資家は慎重に見極める必要がある。現在、アルファベットは「Gemini」などのAIモデルを開発し、クラウドや検索エンジン分野での活用を進めているが、新興企業の台頭によって研究開発への圧力が高まりつつある。

また、アルファベットのAI戦略は、政府の規制とも密接に関わる。米国や欧州ではAI技術の倫理的な側面や独占的な事業運営に対する規制強化の動きが加速しており、これが大手テクノロジー企業の成長を左右する可能性がある。競争の激化と規制の強化という二重の課題の中で、アルファベットがどのようにAI事業を発展させていくのか、今後の展開が注目される。

Source:Investopedia