ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイが大量に保有するオキシデンタル・ペトロリアム(NYSE: OXY)の株価が、依然として厳しい状況にある。2024年12月以来の最安値を更新し、1月末には46.65ドルまで下落。バフェットが同銘柄への自信を示し買い増しを続けているにもかかわらず、株価の回復は見られない。
過去半年間、OXYの株価は乱高下を繰り返しながらも下落傾向が続いており、市場全体の動向に対しても相対的に低迷。200日移動平均線を割り込むなど、テクニカル的にも厳しい局面にある。さらに、2024年第4四半期の売上高は前年比6.7%減の70.2億ドルと見込まれており、短期的な業績回復の見通しも厳しい。
ただし、OXYの事業には成長を後押しする要因もある。ペルム紀盆地での展開に加え、二酸化炭素直接空気回収(DAC)技術の推進により、カーボンクレジット市場での地位を確立しつつある。特にマイクロソフトとの契約は、その可能性を示唆するものだ。長期的には株価回復の余地があるものの、市場は依然として慎重な姿勢を崩していない。
株価下落が示す市場の懸念とバークシャー・ハサウェイの対応
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オキシデンタル・ペトロリアム(NYSE: OXY)の株価は2024年12月以降下落傾向が続き、1月31日には46.65ドルまで落ち込んだ。過去6カ月間、60ドル付近まで上昇した後に急落し、200日移動平均線(MA)を下回る状況が続いている。この下落は市場のOXYに対する評価が厳しくなっていることを示唆しており、エネルギーセクター全体の動向とも関連している。
バークシャー・ハサウェイはOXY株を2億6400万株、約120億ドル分保有しており、バフェットは過去にも買い増しを行ってきた。しかし2024年6月以降、追加投資のペースは鈍化しており、完全買収の意図はないと明言している。それにもかかわらず、同社CEOヴィッキー・ホルブへの評価は高く、経営に対する信頼は維持している。
市場はOXYの財務状況や成長戦略に対し慎重な姿勢を崩していない。2024年第4四半期の売上高は前年比6.7%減の70.2億ドルと予測され、短期的な成長は期待しにくい状況だ。加えて、OXYのS&P 500に対する相対パフォーマンスも低迷しており、投資家の慎重な姿勢を反映している。このような市場環境のなか、バフェットの長期投資戦略がどのように作用するかが注目される。
OXYの成長の可能性 カーボンクレジットと規制環境の影響
一方で、OXYには将来的な成長を支える要素も存在する。特に二酸化炭素直接空気回収(DAC)技術への投資は、同社を脱炭素技術のリーダーとして位置づける可能性がある。この技術を活用したカーボンクレジット市場への参入は、新たな収益源となることが期待されている。実際に、マイクロソフト(NASDAQ: MSFT)はOXYから50万メトリックトン分のカーボンリムーバルクレジットを購入する契約を結んでおり、技術の有用性が認められていることを示している。
また、OXYは米国のペルム紀盆地での事業拡大を進めており、エネルギー資源の開発力を強化している。原油価格の変動や市場の需要次第では、収益の向上につながる可能性がある。さらに、2025年にドナルド・トランプ前大統領が政権を奪還すれば、規制緩和が進む可能性があり、OXYの事業環境が大きく変化する可能性もある。
しかし、OXYの財務状況や投資戦略が今後の市場評価にどう影響するかは不透明である。原油価格の変動や政策の影響を受けやすいエネルギーセクターにおいて、短期的な収益悪化のリスクは排除できない。バークシャー・ハサウェイがOXYへの投資を継続していることは、長期的な成長への期待を示しているが、市場は依然として慎重な姿勢を維持している。
Source:Finbold