Windows 11の最新Insider Preview Build 22635.4870(Beta Channel)が発表された。本ビルドでは、特定のInsider向けにロック画面のウィジェットカスタマイズ機能が導入され、ファイルエクスプローラーの「ホーム」画面には新たなアイコン表示が追加された。また、スタートメニューやエクスプローラーのクラッシュ問題をはじめ、複数の不具合が修正されている。
ロック画面のウィジェット機能は、ヨーロッパ経済領域(EEA)のWindows Insiderに提供され、天気や交通情報などのウィジェットを自由に配置できる仕組みだ。今後、他地域への拡大も予定されている。また、職場や学校アカウント(Entra ID)でサインインしているユーザーに向けて、ファイルエクスプローラーの「おすすめ」セクションに関連人物のアイコンが表示される機能が追加された。さらに、スタートメニューやファイルエクスプローラーの安定性向上を目的とした修正も行われた。
一方で、ファイルエクスプローラーのウィンドウが正しく閉じられない問題や、設定の「ホーム」ページがクラッシュする不具合などが報告されており、引き続き調査が進められている。本ビルドの新機能は段階的に展開され、ユーザーのフィードバックをもとに最終仕様が決定される見込みだ。
ロック画面ウィジェットの刷新がもたらすWindows 11の変化
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Windows 11 Insider Preview Build 22635.4870では、ヨーロッパ経済領域(EEA)のユーザーを対象にロック画面ウィジェットの選択機能が導入された。従来の「天気とその他」から進化し、天気、ウォッチリスト、スポーツ、交通情報などを自由に配置・カスタマイズできるようになった。加えて、ウィジェットのサイズ調整にも対応し、情報の閲覧性が向上している。
この機能の狙いは、ロック画面を単なる待機画面ではなく、リアルタイム情報を即座に把握できるインターフェースとして活用することにある。業務や日常生活において重要な情報をデバイスを開く前に取得できる利点は大きく、特にビジネス用途では生産性向上につながる可能性がある。今後、EEA以外の地域へ展開されることも視野に入れられており、さらなる利便性向上が期待される。
一方で、企業や組織にとっては新たなセキュリティリスクを考慮する必要がある。今回追加された「Disable Widgets On Lock Screen」ポリシーによって、IT管理者がウィジェット機能のみを無効化できる仕組みが導入されたことは、その対策の一環といえる。情報管理が厳格な環境においては、こうした制御機能の活用が求められるだろう。
ファイルエクスプローラーの進化と新たなコラボレーション機能
本ビルドでは、職場や学校アカウント(Entra ID)でサインインしているユーザー向けに、ファイルエクスプローラーの「おすすめ」セクションに関連人物のアイコンが表示される機能が追加された。このアイコンにカーソルを合わせると、Microsoft 365のLive Persona Cardが表示され、ユーザーの詳細情報を確認できるようになった。
この機能は、特に共同作業を行う環境での利便性を向上させることを目的としている。ファイルの共有や閲覧履歴をもとに、関連する人物を視覚的に把握できることで、迅速なコミュニケーションやタスクの効率化が実現する。リモートワークが定着した現代において、こうした機能の導入は、分散型ワークフローの円滑化に寄与すると考えられる。
しかし、こうした利便性の向上と同時に、個人情報の扱いについても注意が必要だ。Microsoft 365のLive Persona Cardは、組織内のアクセス権限に基づいて情報を提供する仕組みだが、適切な管理が行われなければ不要な情報漏えいにつながる可能性もある。そのため、企業や教育機関においては、セキュリティポリシーの見直しや、ユーザーの意識向上が求められる場面も増えてくるだろう。
安定性の向上と未解決の課題—修正と既知の問題の現状
本ビルドでは、スタートメニューやファイルエクスプローラーにおける複数の不具合が修正された。特に、アプリリストのアルファベットを操作した際にスタートメニューがクラッシュする問題や、混合テーマを使用した際のアカウント管理ポップアップの色の不具合が解消された。また、ファイルエクスプローラーにおいては、最小化後のレンダリングの不具合や、explorer.exeがクラッシュする問題などが修正され、安定性が向上している。
一方で、まだ解決されていない既知の問題もいくつか報告されている。ファイルエクスプローラーのウィンドウを閉じる際の遅延や、設定の「ホーム」ページのクラッシュなどは、引き続き調査中とされている。これらの問題は、作業の流れを妨げる要因となるため、早急な修正が望まれる。
Windows Insider Programでは、こうしたフィードバックをもとに段階的な改良を重ねており、今回のビルドもその一環といえる。新機能の一部は最終リリースに至らない可能性もあるが、ユーザーの声を反映しながら進化を遂げることで、より完成度の高いOSへと洗練されていくことが期待される。
Source:Windows Blogs