SoFi Technologies(SOFI)は、デジタル金融サービスの革新企業として急成長を遂げてきた。2024年には会員数が1,000万人を突破し、株価も急騰したが、第4四半期決算後の慎重な業績見通しにより、2025年のスタートは不安定なものとなった。1月27日には株価が10%下落し、市場の期待が揺らぐ展開となっている。
同社の成長は目覚ましいが、依然として高いバリュエーションや市場の慎重な見方が懸念材料となる。2025年には新規会員数280万人増を見込んでいるものの、投資家は長期的な成長の持続性に注目している。今後の業績予測と市場の評価を踏まえ、SoFi株は「買い」なのか、それとも慎重に見極めるべきか、その判断が問われる。
デジタル金融のリーダーとしてのSoFiの競争力

SoFi Technologiesは、従来の銀行業務を革新するデジタル金融プラットフォームとして、急成長を遂げている。サンフランシスコを拠点とし、米国を中心にラテンアメリカやカナダにも展開する同社は、個人向け融資、クレジットカード、投資サービスなどを統合的に提供する点で、他の金融機関と一線を画している。
特に2024年には、会員数が前年比34%増の1,000万人を突破し、収益構造の変革にも成功した。従来のローン中心のビジネスモデルから手数料ベースの収益モデルへと移行し、金融サービスとテクノロジープラットフォーム事業の成長が加速している。2024年第4四半期の売上高は前年同期比24%増の7億3,910万ドルに達し、アナリスト予想を上回った。この成長を支えるのは、SoFiが構築する包括的な金融エコシステムであり、特に金融サービス関連の商品が全体の売上高の約半分を占めるまでになった。
しかし、この成長に伴い市場の期待も高まり、バリュエーションの高さが投資家の懸念材料となっている。SoFiの株価は、予想調整後利益の63.46倍、売上高の6.27倍で取引されており、他の金融機関と比較しても高い水準にある。これが今後の成長にとって障壁となるか、それとも継続的な拡大を裏付ける指標となるかが問われている。
2025年の成長見通しと市場の懐疑的な視点
SoFiは2025年に新規会員数280万人の増加を見込んでおり、引き続き成長戦略を推進する計画である。しかし、1月27日に発表された第4四半期決算後の業績見通しが市場の期待を下回ったことで、株価は10%下落し、投資家の慎重な姿勢が浮き彫りとなった。
SoFiの経営陣は、2025年の調整後売上高を32億~32.75億ドル、調整後EPSを0.25~0.27ドルと予測したが、市場の予想はこれをやや上回る水準であった。さらに、2026年にはEPSが0.52ドルに達すると見込まれており、長期的な成長シナリオは依然として有望視されている。しかし、金融市場全体の動向や金利政策の影響によって、同社の収益構造が変化する可能性も考慮する必要がある。
ウォール街のアナリストの評価は分かれており、「ホールド」がコンセンサスとなっている。19人のアナリストのうち、5人が「強い買い」、1人が「買い」、8人が「ホールド」、3人が「売り」、2人が「強い売り」と評価しており、慎重な姿勢が多く見受けられる。一方、Needhamは目標株価を13ドルから20ドルに引き上げ、26.7%の上昇余地があるとの見解を示しており、一部のアナリストは引き続き強気の立場を取っている。
SoFi株は「買い」か、それとも様子見か
SoFiの株価動向は、同社の成長戦略と市場の評価のバランスによって決まると考えられる。短期的には業績見通しが市場の期待を下回ったことで、ボラティリティが高まる可能性があるが、長期的には成長ポテンシャルを秘めている点は注目に値する。
SoFiの強みは、銀行免許を取得し、従来の金融機関とは異なるアプローチで事業を展開している点にある。預金残高は260億ドルに達し、193ベーシスポイントのスプレッドを活用することで年間5億ドルの金利コストを削減している。これにより、資本効率の高い運営が可能となり、収益の安定化につながると考えられる。
一方で、高いバリュエーションはリスク要因となる。短期的な市場の変動により株価が乱高下する可能性もあり、特に金利動向や金融政策の変更が同社の収益に与える影響を見極める必要がある。長期投資家にとっては、今回の調整局面が絶好の買い場となる可能性があるが、リスクを慎重に評価する必要があるだろう。
Source: Barchart