アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は、人工知能市場での競争が激化する中、株価が停滞しているが、一部アナリストは依然として強気の姿勢を保つ。2024年初めからの株価下落や、競合するNvidiaとの製品性能の差、AI分野での成長見通しが市場の注目を集めている。
最新のウォール街予測では、目標株価を引き下げつつも、依然として上昇余地があるとの見方が多数を占める。アナリストの間では今後の決算発表が株価の再評価を促す可能性があるとして、動向を注視する声が多い。
ウォール街アナリストのAMD株評価の変化

ウォール街のアナリストたちは、AMDの株価評価を慎重に調整している。特にCitiのアナリストらは、目標株価を200ドルから175ドルに下方修正した。WedbushのMatt Bryson氏はこれをさらに進め、200ドルから150ドルに引き下げている。一方でMorgan StanleyのJoseph Moore氏は目標を158ドルから147ドルに変更し、サーバー事業の可能性を一定評価しつつも、今後の大幅な上昇をすぐには見込んでいない。これらの調整は、AMDが人工知能(AI)市場における競争で優位性を十分に発揮できていない現状を反映していると考えられる。
これらの動きの背景には、Nvidiaが市場の注目を集める一方で、AMDがAI分野での売上増加に苦しんでいるという事実がある。AMDの最新製品はNvidiaと競り合える性能を示しているものの、AIブームの恩恵を完全に受けるまでには至っていない。その結果、アナリストたちは短期的な株価目標を引き下げつつ、長期的な成長の可能性に関して慎重な姿勢を維持している。
AI市場の中でのAMDの立ち位置と課題
AI市場は引き続き急成長を遂げているが、AMDはこの潮流にうまく乗ることができていない。中国のAIスタートアップ「DeepSeek」の台頭がNvidia株に影響を与えた一方で、AMDにとってAI関連事業がどれほどの収益を生むかは不透明なままである。事実、2024年の時点でAMDの株価は依然としてNvidiaの水準に及ばず、ウォール街の期待値に追いついていない。
こうした状況を考えると、AMDがAI市場での地位を高めるには、競争力のある製品ラインナップだけでは不十分だと言える。市場から求められるのは、Nvidiaと同様にAIのトレーニングや推論に最適化されたソリューションを提供し、大規模なデータセンター事業者や企業ユーザーの需要に応える体制だ。AMDがその道筋を明確に示すことができれば、市場の評価は変わり得るが、現時点では課題が多いと言わざるを得ない。
バリュエーションと投資機会
AMDは現在、予想株価収益率(PEレシオ)が22.73と比較的低い水準にある。これは投資家にとって魅力的な条件を提供しているとも考えられる。株価が低迷する一方で、製品性能が競合と拮抗している点は、今後の株価上昇余地を示唆しているのかもしれない。
ただし、PEレシオだけでは評価を判断するのは難しい。AMDの真価は、AI市場やデータセンター事業での成長をどのように実現するかにかかっている。そのため、投資判断には、製品ポートフォリオやAI関連の取り組みをより深く分析し、将来の収益見通しを慎重に評価する必要がある。ウォール街のアナリストが目標株価を再設定するタイミングも、投資家にとって重要な指針となるだろう。
Source:Finbold