米国ワシントン州シアトルにて、2025年5月19日から22日まで、Microsoftの年次開発者会議「Build 2025」が開催されることが正式に発表された。同社のレドモンド本社近郊で行われるこのイベントでは、AI(人工知能)に関する多彩な発表が期待されている。
昨年のBuild 2024では、AIエージェントの導入やAI搭載のWindowsクリップボードPowerToy、Snapdragonを搭載した小型PCなど、AI関連の取り組みが数多く紹介された。今年も、消費者およびビジネス向けのCopilot AIの最新情報や、Microsoft 365へのAI機能の統合に関するアップデートが予想される。さらに、同時期に新型Surfaceハードウェアの発表が噂されており、注目が集まる。
AIが主役となるBuild 2025の展望と背景

Microsoftが発表したBuild 2025の日程は、同社が開発者向けに提供する新技術を世界に発信する重要な場となる。昨年のBuild 2024では、AI関連の技術革新が中心となったが、今年もその流れが継続すると考えられる。特に、CopilotをはじめとするAIアシスタント機能のさらなる拡張や、企業向けのAIツールの発表が予想される。
Build 2024では、Microsoft EdgeにAI翻訳機能が組み込まれ、WindowsにはAIによる業務支援機能が追加された。今年もこうしたアップデートが進む可能性が高い。さらに、AIエージェントの進化により、開発者が独自のAIモデルを容易に活用できる環境が整うことが期待される。Microsoftが展開するAzure OpenAI Serviceも、より高度なAIモデルの導入が進むだろう。
また、企業向けのAI導入支援が強化される可能性もある。Copilotの普及に伴い、開発者が組織向けのAI機能を設計・運用しやすくなる環境が整備されることが予想される。こうした動向は、MicrosoftがAI市場での競争力をさらに高める戦略の一環と見ることができる。
Surfaceの新型モデルはBuild 2025で登場するのか
昨年のBuild 2024では、新型Surface Pro 11やSurface Laptop 7が発表されたが、今年のBuild 2025では同様の動きが見られるかが注目されている。特に、MicrosoftはSnapdragon X Eliteを搭載したデバイスを市場に投入しており、次なるSurfaceの進化に期待が集まる。
しかし、Microsoftのハードウェア戦略は必ずしもBuildでの発表に依存していない。過去の例を見ると、Surfaceデバイスは独立したイベントで発表されるケースが多い。今回も、新型Surfaceの発表がBuildではなく、別のタイミングで行われる可能性があるという見方が強まっている。
実際、Windows CentralのZac Bowden氏は、Microsoftが次のSurface PCを2025年4月から5月にかけて出荷する計画を進めていると述べている。また、Snapdragon X Eliteの採用が進む中、Microsoftは今後のSurfaceラインアップにおいて、Armベースのデバイスをさらに強化する可能性が高い。
これは、Windows on Armの普及を加速させる狙いとも考えられる。Surfaceシリーズがどのように進化するのか、Build 2025での動向が注視される。
AI主導の開発環境が開発者にもたらす変化
AI技術の進化により、開発者の作業環境も大きく変化している。Build 2025では、Copilotのさらなる強化や、開発者向けAI支援ツールの発表が見込まれている。これにより、コード生成やデバッグの効率化が進み、より直感的な開発環境が構築される可能性が高い。
Microsoftは、GitHub Copilotの進化とともに、Visual StudioやAzure DevOpsとの統合を深めている。特に、AIを活用したバグ検出や最適なコード提案機能の強化が進められており、開発者の負担を軽減する技術の導入が進んでいる。今後は、自然言語でのコード記述や、自動最適化機能の実装がさらに高度化されることが予想される。
また、AIが開発プロセスに深く組み込まれることで、ソフトウェア開発の在り方も変化している。従来のプログラミングスキルに加え、AIを活用したシステム設計やデータ処理の知識が求められるようになってきている。Build 2025で発表される最新技術は、こうしたトレンドをさらに加速させるものとなるだろう。
Source:Windows Central