中国のハードウェア情報筋によれば、NVIDIAの次世代GPUであるRTX 5060および5060 Tiは、従来の8ピン電源コネクターを引き続き採用する見通しである。推奨電源ユニット(PSU)の容量は650Wとされ、前世代のRTX 4060シリーズの550Wから100Wの増加となる。
しかし、実際の消費電力の増加は50W程度と推定され、8ピンコネクターで十分に対応可能と考えられる。また、RTX 5060 Tiは8GBと16GBのGDDR7メモリを搭載したモデルが予定されており、メモリインターフェースは128ビットを維持する模様だ。
価格帯は、RTX 5060が約357~467米ドル、RTX 5060 Tiが約453~494米ドルと予想されている。これらのGPUは2025年3月の発売が噂されており、同時期にAMDのRadeon RX 9070シリーズも登場する予定である。市場競争が激化する中、NVIDIAの新製品がどのような性能と価値を提供するかが注目される。
RTX 5060シリーズの電源仕様と消費電力の変化
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NVIDIAの次世代GPUであるRTX 5060および5060 Tiは、8ピン電源コネクターを引き続き採用するとリーク情報で示唆されている。これまでのRTX 4060シリーズと比較し、推奨電源ユニット(PSU)のワット数は550Wから650Wへと100W引き上げられる見込みである。GPUの性能向上が進む中で、電源仕様の変化はどのような影響を及ぼすのかが注目される。
RTX 4060 TiのTGP(総グラフィックス消費電力)は160W、RTX 4060は115Wとされていたが、次世代モデルではそれぞれ200W、150W程度になると推測される。推奨電源ワット数が100W増加するものの、実際の消費電力は50W程度の上昇にとどまる可能性が高い。これは、システム全体の安定性を考慮した結果であり、余裕を持った電源設計が求められることを示している。
一方で、工場出荷時にオーバークロックされた特定のモデルでは、16ピンコネクターの採用も考えられる。RTX 4060 Ti Founders Editionでは、16ピンコネクターが標準採用されていたため、RTX 5060 Tiの上位モデルでも同様の設計が取られる可能性は否定できない。ユーザーは、購入時にモデルごとの仕様をしっかりと確認する必要があるだろう。
RTX 5060シリーズの価格戦略と市場での立ち位置
RTX 5060および5060 Tiの価格は、中国元換算でRTX 5060が約357~467米ドル、RTX 5060 Tiが約453~494米ドルと予測されている。この価格帯は、従来のRTX 4060シリーズと比較すると若干の上昇傾向にあるが、米国市場や欧州市場では為替レートや関税の影響を受けるため、実際の価格は異なる可能性がある。
価格設定においては、競合であるAMDのRadeon RX 9070シリーズとのバランスが重要になる。AMDはRX 9070およびRX 9070 XTを2025年3月に投入する予定であり、NVIDIAは市場シェアを維持するために柔軟な価格戦略を求められることになるだろう。特に、RTX 5060シリーズが128ビットのメモリインターフェースを維持する場合、競争力の確保には価格の調整が不可欠となる。
さらに、RTX 5070の価格が4070 SUPER発売後の4070と同水準となっている点を考慮すると、RTX 5060 TiがRTX 4060 Tiの発売当初と同程度、もしくは若干高めに設定される可能性もある。これにより、NVIDIAは上位モデルとの価格差を明確にしつつ、エントリーレベル市場での競争力を維持する狙いがあると考えられる。
供給不足のリスクと今後の市場動向
現在、RTX 5080およびRTX 5090の供給不足が報告されており、この影響がRTX 5070およびRTX 5060シリーズにも波及する可能性がある。もし供給が限定的であれば、発売直後に価格が高騰する事態も想定される。これにより、コストパフォーマンスを重視するユーザーは、AMDのRDNA 4世代のGPUに流れる可能性がある。
特に、AMDはRX 9000シリーズの供給を安定させることで、市場シェア拡大を狙っているとみられる。もしNVIDIAがRTX 5060シリーズの供給を円滑に進められなければ、競争環境が変化し、消費者の選択肢にも影響を及ぼすことになるだろう。
また、近年の半導体市場では生産コストの上昇が続いており、GPUメーカーにとってもコスト管理は重要な課題となる。価格が高騰すれば需要が減少し、市場全体の成長鈍化につながるため、NVIDIAとしてもバランスの取れた生産と供給を求められることになる。
RTX 5060シリーズの販売戦略は、単に製品性能だけでなく、価格設定や供給状況とも密接に関連している。今後の公式発表や販売状況を注視しながら、市場の動向を見極める必要がある。
Source:Tom’s Hardware