MicrosoftとGoogleは、Windows 10および11環境におけるGoogle Chromeのシークレットモードにおいて、プライバシー保護機能を強化するためのアップデートを発表した。この改良は第3四半期に実施予定で、プライベートブラウジング中にコピーされた内容がWindowsのクリップボード履歴やクラウドクリップボードに保存・同期されることを防ぐ。新たに導入される3つのクリップボード形式により、コピー直後の貼り付け機能は維持されつつ、履歴への保存やクラウド経由の同期は遮断される。
さらに、シークレットモードでのメディア再生時には、サイトが再生中であることのみが表示され、ビデオのタイトルやアーティスト名といった詳細情報は明示されない。これにより、利用者はより高度なプライバシー環境下でのウェブブラウジングが可能となる。
プライバシー強化のための3つの新しいクリップボード

MicrosoftとGoogleは、Windows 10および11でのGoogle Chromeのシークレットモードにおいて、プライバシー保護機能を一層強化する取り組みを進めている。このアップデートは2024年第3四半期にリリースされる予定で、ユーザーのデータ保護をさらに強化することを目的としている。
この新機能の中心は、シークレットモードでコピーされたコンテンツがWindowsのクリップボード履歴(ショートカットキーWin+Vでアクセス可能)やMicrosoftのクラウドクリップボードを介して他のデバイスと同期されることを防ぐ点にある。これにより、プライベートな情報が意図せず保存・共有されるリスクが大幅に軽減される。
- ExcludeClipboardContentFromMonitorProcessing:モニタリング処理からクリップボード内容を除外
- CanIncludeInClipboardHistory=0:クリップボード履歴への保存を無効化
- CanUploadToCloudClipboard=0:クラウドクリップボードへのアップロードを禁止
これらの形式は、Chromeのシークレットモードでコピーされたコンテンツに自動的に適用され、ローカルおよびクラウドへのデータ同期を効果的に防止する。一方で、コピー直後であれば通常通りの貼り付け操作が可能であり、基本的なクリップボード機能は損なわれない。
加えて、シークレットモードでメディアを再生する際には、Windowsが「サイトがメディアを再生中です」と表示するだけで、ビデオのタイトルやアーティスト名といった詳細情報は開示されない。この措置により、プライベートな視聴履歴の漏洩リスクも抑えられる。
今回のアップデートは、プライバシー保護への意識が高まる中、ユーザーの信頼を維持するための重要な施策である。今後もMicrosoftとGoogleは、より安全でプライバシーに配慮したウェブ環境の構築を目指して協力を続けるとみられる。
シークレットモードにおけるクリップボード管理の新たな仕組み
今回のアップデートで導入される新しいクリップボード形式は、ユーザーのプライバシー保護において重要な役割を果たす。特に、ExcludeClipboardContentFromMonitorProcessing、CanIncludeInClipboardHistory=0、CanUploadToCloudClipboard=0という3つの形式が、自動的にChromeのシークレットモードでコピーされたコンテンツに適用される。これにより、コピーされたデータはローカルおよびクラウド上での不正な保存や同期を防止し、意図しない情報漏洩のリスクを最小限に抑えることができる。
従来、Windowsのクリップボード履歴やクラウドクリップボード機能は利便性向上のために設計されてきたが、プライベートなデータが無意識のうちに保存・同期される危険性も孕んでいた。このアップデートにより、ユーザーは安心してシークレットモードを活用し、プライバシー保護を強化することが可能となる。
メディア再生時の情報管理強化とその影響
シークレットモードでのメディア再生においても、今回のアップデートは重要な変化をもたらす。従来は、メディア再生中に動画のタイトルやアーティスト名といった詳細情報が表示されることがあったが、新たな仕様では「サイトがメディアを再生中です」といった一般的な通知に限定される。
この変更は、ユーザーの視聴履歴や個人的な嗜好に関連する情報が外部に漏れるリスクを大幅に低減することを意図している。特に、公共の場や共有デバイスでの使用時において、個人情報の漏洩防止に寄与するものと考えられる。
今後のプライバシー保護強化に向けた展望
MicrosoftとGoogleの今回の取り組みは、単なる機能追加にとどまらず、プライバシー保護の新たな標準を築く一歩となる。今後も両社は、ユーザーのデータセキュリティを確保するために継続的な改善を進めていくとみられる。
クラウドベースのサービスやAI技術の進化に伴い、データの取り扱いはさらに複雑化する。その中で、透明性の高いプライバシー管理と、ユーザーの信頼を維持するための取り組みが求められるだろう。今回のアップデートは、その第一歩として評価されるべきである。
Source:ExtremeTech