MicrosoftはWindows 11の最新アップデート24H2(Build 26100.3037)において、ファイルエクスプローラーとOneDriveの連携機能を強化した。新たに追加されたOneDriveベースの「再開」機能により、スマートフォンで編集したファイルをWindowsデバイスで中断箇所から即座に再開可能となった。

また、ファイルエクスプローラーのタブ復元機能も向上し、ログイン時に前回開いていたフォルダーが自動で再表示される仕様が導入された。これらの改善により、複数デバイス間での作業効率が大幅に向上し、ユーザーの生産性向上に寄与することが期待される。

特にビジネス環境では、資料作成やファイル管理のスピードが重要視されるため、今回のアップデートは実務に直結する利便性を提供している。

OneDrive連携による作業再開機能の実用性と課題

Windows 11 24H2の新機能として導入されたOneDriveベースの作業再開機能は、スマートフォンとPC間のシームレスなファイル編集を実現する。iOSやAndroidのOneDriveアプリで中断したファイルを、Windowsデバイスで即座に再開できる点が特徴である。

この機能はAppleのHandoffに似ており、異なるデバイス間での作業継続が求められる現代のワークスタイルに適合している。しかし、実用面ではいくつかの課題も存在する。まず、PCがロックされた状態でなければ通知が表示されないこと、またPCブラウザでOneDriveにログインしている必要がある点など、利用条件が限定的である。

さらに、通知の有効時間がファイル編集を停止してから5分以内と短く、作業の流れによってはこのタイミングを逃す可能性も高い。これらの条件は、即時性を求めるユーザーには煩雑さを感じさせる要因となりうる。

一方で、PDF、Word、Excelなどの主要なファイル形式に対応しており、モバイルとPC間でのデータ同期がスムーズになることで、生産性向上への貢献が期待される。Microsoftアカウントを通じた統合管理により、企業内の情報共有や共同作業も効率化されるだろう。今後、この機能がより直感的かつ柔軟に進化することで、さらなる業務効率化が実現される可能性がある。

ファイルエクスプローラーのタブ復元強化がもたらす生産性の向上

Windows 11 24H2では、ファイルエクスプローラーのタブ復元機能が強化され、作業効率の向上に寄与している。新たな設定により、ログイン時に前回開いていたフォルダーウィンドウが自動で再表示されるため、作業中のファイルやディレクトリへのアクセスが迅速化される。

この機能は、複数のプロジェクトを並行して進めるユーザーにとって特に有用であり、業務の中断と再開をスムーズに行える。また、複数のフォルダーを同じウィンドウ内のタブとして開くことで、デスクトップ上のウィンドウ管理が簡素化される。

従来のように複数のエクスプローラーウィンドウを開く必要がなくなり、ブラウザのタブ管理に似た直感的な操作が可能となる。これにより、ファイル操作にかかる時間が短縮され、デジタルワークスペースの整理が促進される。

ただし、これらの機能がすべてのユーザーにとって最適とは限らない。従来の個別ウィンドウでの作業に慣れているユーザーにとっては、タブ操作が煩雑に感じる場合もある。また、自動復元機能が予期せぬファイルの再表示を招く可能性があり、情報管理の観点からも注意が必要である。

それでも、業務の効率化を重視する現場においては、この機能の活用が生産性向上の一助となることは間違いない。

新機能の影で潜む不具合とその影響

Windows 11 24H2アップデートには数々の機能向上が見られる一方で、一部の不具合も報告されている。特に、カーソルが常に読み込み中の状態で表示されるバグや、Adobe Premiere Proが正常に動作しないといった問題が確認されている。

これらの不具合は、クリエイティブ業務や高負荷のアプリケーションを使用する環境において深刻な影響を及ぼす可能性がある。Windows Studio Effectsのアイコン表示機能も追加されたが、この機能はニューラルプロセッシングユニット(NPU)を搭載したPCに限定されているため、すべてのユーザーが恩恵を受けられるわけではない。

新機能の恩恵を最大限に享受するためには、ハードウェアの要件も満たす必要がある点に留意する必要がある。これらの問題は、アップデート後の初期段階において発生することが多く、Microsoftが継続的に改善に取り組むことが期待される。

しかし、業務に直結するアプリケーションで不具合が発生するリスクを考慮し、アップデートの適用を慎重に判断することが求められる。特に、業務用PCにおいては安定性が最優先されるため、アップデートのタイミングと影響を十分に見極める必要があるだろう。

Source:Windows Latest