米証券取引委員会(SEC)が現物ソラナETFの申請を正式に受理した。この決定は、SECの暗号資産に対する規制方針に大きな変化が訪れる可能性を示唆している。
ビットコインとイーサリアムのETFが承認されて以降、暗号資産業界ではドージコインやXRP、ソラナなどを対象とした新たなETFの登場が期待されていた。特にソラナは、過去にSECが証券と見なしていた経緯があり、その認識が覆るかどうかが注目されるポイントとなる。
SECは最終決定までに最大240日を要する可能性があるが、承認されればウォール街の資金が流入し、ソラナの市場価値に大きな影響を与えることになるだろう。
SECがソラナETFの申請を受理 証券問題はどう影響するのか
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SECが現物ソラナETFの申請を正式に受理したことで、暗号資産市場は大きく揺れている。SECはこれまで、ビットコインやイーサリアムのETFに対しては承認を進めてきたが、それ以外の暗号資産に関しては慎重な姿勢を崩してこなかった。特にソラナについては、過去に証券と見なす発言をしていたことがあり、このETF審査はその方針に変化があるのかを示す試金石となる。
SECはバイナンスやコインベースとの訴訟で、これらの取引所が未登録証券としてソラナを販売していると主張していた。しかし、今回受理した申請には、ソラナが証券ではないという立場が含まれている。この変化は、暗号資産全体の規制方針にも影響を与える可能性がある。
また、SECはソラナETFの審査を進めることで、機関投資家による市場参入を促進することになる。過去には、グレースケールの訴訟で敗北したことをきっかけにビットコインETFの承認に至った経緯があるが、今回のソラナETFについても同様の流れが見られるかもしれない。審査の過程で証券問題に対するSECの姿勢が明確になれば、他の暗号資産ETFにも影響を及ぼす可能性が高い。
SECの判断が市場に与える影響 ソラナ価格の動きはどうなるか
今回のソラナETF審査の進展は、暗号資産市場にとって極めて重要な意味を持つ。現物ビットコインETFとイーサリアムETFが承認された際には、市場に新たな資金が流入し、価格上昇を引き起こした。同様に、ソラナETFが承認されれば、機関投資家の資金が流れ込み、価格が大きく動く可能性がある。
特に、資産運用会社VanEckは、ソラナの市場価値について強気の予測を立てており、2025年末までに520ドルに達する可能性があると見ている。この予測の根拠としては、分散型取引所(DEX)での取引量の増加や、ソラナネットワークの安定性が挙げられる。
ただし、SECの決定には依然として不透明な部分が多く、即座に市場にポジティブな影響を与えるとは限らない。SECは最大で240日間の審査期間を持っており、その間に新たな規制の方針が示される可能性もある。仮にソラナETFが承認されれば、市場にとっては新たな成長機会となるが、反対に却下される場合は一時的な価格下落を招くかもしれない。
暗号資産ETFの未来 SECの「一線」はどこにあるのか
ソラナETFが審査対象となったことで、次に承認される可能性のある暗号資産にも注目が集まっている。現在、ドージコインやXRP、HBAR、ライトコインなどの暗号資産ETFが提案されており、SECの今後の決定次第では、これらの資産にも道が開かれる可能性がある。
SECは長年、現物ビットコインETFの承認を拒否し続けてきたが、グレースケールとの裁判での敗訴をきっかけに方針を転換した経緯がある。今回のソラナETFの審査が進むことで、暗号資産の規制に対する考え方がさらに変化する可能性がある。
特に、SECの審査対象となる暗号資産が増えることで、証券とみなされるか否かの基準が改めて問われることになる。現時点では、ビットコインとイーサリアムはコモディティとして認められているが、ソラナがこのカテゴリに加わることで、新たなルールが生まれる可能性もある。今後、暗号資産ETFの承認がどこまで拡大するのか、SECの「一線」がどこに引かれるのかが、業界全体の関心事となっている。
Source:Decrypt