MicrosoftはEdgeブラウザにおけるCopilotの統合をさらに強化する実験を進めている。Edge Canaryの最新バージョンでは、設定アプリ内に「Ask Copilot」ボタンを追加し、ユーザーが設定の変更や問題解決をAIに依頼できる機能がテスト中だ。また、新しいタブを開いた際やブラウザ起動時にCopilotが自動的に起動する機能も導入される可能性がある。

加えて、バージョン133では「スケアウェアブロッカー」というAI機能が実装され、リアルタイムでオンライン詐欺からの保護を強化。これらの新機能は、Edgeを単なるブラウザ以上のAIプラットフォームへと進化させる一歩となる。

Microsoftがどの機能を正式にリリースするかは不明だが、AI技術を活用したユーザー体験の向上を目指す姿勢が鮮明になっている。

Copilotの設定アプリ統合が示すユーザーサポートの新潮流

Microsoft Edgeの最新テストでは、ブラウザの設定アプリ内に「Ask Copilot」ボタンが導入される可能性がある。このボタンを活用することで、ユーザーは設定の変更方法やトラブル発生時の解決策をAIに直接問い合わせることができる。従来のサポート手段と異なり、AIは即座に具体的な解決策を提示するため、時間と労力の削減が期待される。

特に、設定の複雑さやエラー発生時の対応に悩むユーザーにとって、この機能は大きな支援となるだろう。ただし、「msSettingsAskCopilot」というラベル付けのみで詳細は不明な点が多く、現時点ではどの程度の問題解決能力を持つかは未知数である。Microsoftはこの実験結果を踏まえ、正式なリリースを検討するとみられるが、AIの正確性や適用範囲が鍵を握ることになる。

この取り組みは、単なるブラウザの枠を超え、ユーザーインターフェース全体へのAI統合の可能性を示唆している。MicrosoftがCopilotをどの程度までEdgeに組み込むかは、今後の開発動向に注目すべきポイントである。

自動起動機能がもたらす生産性向上とユーザー体験の変化

Microsoft Edgeの新たな試みとして、ブラウザ起動時や新しいタブを開いた際にCopilotが自動的に立ち上がる機能がテストされている。この機能は「msCopilotAutoOpenOnNtp」および「msCopilotAutoOpenOnNtpTrigger」として識別されており、ユーザーが意識的にAIを起動せずとも支援を受けられる環境を目指している。

現在の仕様では、Copilotサイドバーはユーザーがアイコンにカーソルを合わせることで起動する必要があるが、自動起動機能が正式に導入されれば、日常的な業務や情報検索の流れが大きく変わる可能性がある。AIが常にバックグラウンドで待機することで、検索やタスク処理の効率が向上し、迅速な意思決定を支援することが期待される。

しかし、この機能にはプライバシーやリソース消費に関する懸念も存在する。自動起動により、ユーザーの操作履歴や検索内容が常時AIに解析されるリスクがあるため、透明性とセキュリティ対策が求められる。Microsoftがこれらの課題をどのように解決するかが、正式導入の成否を左右するだろう。

スケアウェアブロッカーの導入が示すEdgeのセキュリティ強化戦略

Microsoft Edgeのバージョン133には、新たに「スケアウェアブロッカー」と呼ばれるAI駆動のセキュリティ機能が追加された。この機能は、ウェブページの内容をリアルタイムで解析し、不正なポップアップや詐欺サイトへのアクセスを自動的にブロックする仕組みである。

Microsoft Defender SmartScreen Protectionに加え、このAI機能が搭載されることで、ユーザーのオンライン環境はさらに強化される。初期テストでは、スケアウェアブロッカーが従来のフィルタリング機能を上回る効果を発揮していることが報告されている。

未知のAIモデルが詐欺パターンを迅速に学習し、変化するサイバー脅威にも柔軟に対応することが可能となっている。これにより、特にフィッシング詐欺やマルウェア拡散を狙うサイトに対する防御力が大幅に向上する見込みである。

一方で、AIによる過剰なブロックや誤検出のリスクも考慮する必要がある。安全性を優先するあまり、正当なウェブサイトや広告まで遮断する可能性があり、ユーザー体験の低下につながる懸念も存在する。Microsoftはこの点を踏まえ、フィードバックを基にAIの精度向上を進めることが求められる。

Source:Windows Latest