Nvidiaの最新GPU、RTX 5090が電源コネクタの過熱・溶解問題を再び引き起こしている。2022年のRTX 4090発売時にも同様のトラブルが報告され、当時はコネクタの接続不良が原因とされた。

しかし今回は、カスタムケーブル使用者だけでなく、標準ケーブルを正しく装着したとするユーザーからも問題が報告されている。改良されたはずの12VHPWRコネクタが再び信頼性を問われる事態となり、設計上の根本的な課題が浮き彫りになった。他メーカーが異なる設計を採用する中、Nvidiaの対応が注視されている。

RTX 5090で再発した12VHPWRコネクタ問題の詳細と影響範囲

Nvidiaの最新GPUであるRTX 5090は、前モデルRTX 4090で問題視された12VHPWRコネクタの過熱・溶解現象を再び引き起こしている。現時点で2人のユーザーがこの不具合を報告しており、1人はカスタムケーブル、もう1人は標準ケーブルを使用していたことが確認されている。

両者ともにコネクタを完全に差し込んでいたと主張しており、ユーザーの操作ミスでは説明がつかない可能性がある。RTX 5090は、12VHPWRコネクタを採用した最初のシリーズであるRTX 4090以降、設計の改良が施されたにもかかわらず、依然として問題が解決されていない状況だ。

このコネクタの問題は単なる個別事例に留まるものではなく、Nvidiaの製品設計全体への信頼性にも影響を及ぼしかねない。他のGPUメーカーであるIntelやAMDは、この12VHPWRコネクタを自社製品に採用しておらず、CorsairやMSIは視覚的に差し込み具合を確認できる工夫を施している。このことから、Nvidiaの対応策や設計方針が今後の焦点となることは間違いない。

改良を重ねたはずの12VHPWRコネクタに残る設計上の課題

RTX 4090の発売当初に発覚したコネクタ溶解問題を受け、Nvidiaは12VHPWRコネクタの設計に複数の改良を施してきた。PCI規格を管理する組織も接続部分の信頼性向上を図るための修正を加え、安全性の向上が図られた。

しかし、今回のRTX 5090での再発は、これらの改善策が根本的な問題解決に至っていないことを示唆している。特に注目すべきは、標準ケーブル使用者にまで問題が及んでいる点であり、コネクタ自体の設計に依然として何らかの欠陥が潜んでいる可能性がある。

加えて、コネクタの材質や発熱管理の不足も影響している可能性がある。これまでの報告では、ケーブルが完全に差し込まれていないことが主因とされてきたが、今回の事例はその説明では十分ではない。他メーカーが異なる設計を採用する中で、Nvidiaが12VHPWRコネクタに固執する理由と、その安全性をいかに保証するかが今後の課題となる。

業界全体に波及するNvidiaの対応と信頼性への影響

今回の問題が報告されたことで、Nvidiaの製品設計だけでなく、GPU市場全体にも影響が及ぶ可能性がある。RTX 4090での問題発覚後、ユーザー間ではコネクタの取り扱いに慎重さが求められてきたが、RTX 5090で再び同様の不具合が発生したことで、消費者の不安感が一層高まることが予想される。

Nvidiaが迅速かつ透明性のある対応を行わなければ、長期的なブランドイメージの低下を招きかねない。一方で、この問題はGPU業界における標準規格の見直しや、他メーカーへの技術的な影響も与える可能性がある。

IntelやAMDが異なるコネクタ設計を採用している中で、Nvidiaの対応が今後の業界標準にどのような影響を与えるのか注目される。技術革新のスピードが加速する中で、安全性とパフォーマンスの両立が求められることは明白である。

Source:MobileSyrup