AMDは最新のグラフィックスドライバー「バージョン25.2.1」を公開し、新たに『Sid Meier’s Civilization VII』や『Avowed』など4タイトルのゲームサポートを追加した。加えて、『Marvel’s Spider-Man 2』におけるAMD Ryzen 7000シリーズでの黒画面表示問題をはじめとした複数の不具合も修正された。

一方で、『FINAL FANTASY VII REBIRTH』のクラッシュや『Warhammer 40,000: Space Marine 2』のドライバータイムアウトといった既知のバグも報告されており、一定の注意が必要だ。新ドライバーはRX 5000以降のグラフィックスカードとRyzen統合型GPUに対応し、64ビット版Windows 10および11で利用可能となっている。

新たにサポート対象となった4タイトルの影響と市場動向

AMDの新GPUドライバー「バージョン25.2.1」でサポートされた4つのタイトル、『Sid Meier’s Civilization VII』『Avowed』『Monster Hunter Wilds』『Like a Dragon: Pirate Yakuza in Hawaii』は、それぞれ異なるゲームジャンルとファン層を持つ。この幅広い対応は、AMDが多様なユーザー層の需要に応える姿勢を示していると考えられる。

特に『Civilization VII』は歴史シミュレーションゲームとして根強い人気を誇り、戦略ゲームファンの期待を集める。一方、Obsidian Entertainmentが手掛ける『Avowed』は、ファンタジーRPG市場へのAMDの強化を象徴する作品である。

加えて、『Monster Hunter Wilds』はグローバルな人気を持つアクションゲームであり、グラフィック性能への要求が高いことから、AMDのドライバー最適化が重要な役割を果たす。『Like a Dragon: Pirate Yakuza in Hawaii』はシリーズの最新作として、独自の世界観とストーリーテリングで注目を集めている。

これらのタイトルへの迅速な対応は、ゲーマーに対するAMDの信頼性向上につながる可能性が高い。

修正された不具合と残る既知の問題が示す課題

今回のアップデートでは、『Marvel’s Spider-Man 2』における黒画面問題や、MyXrayDose ViewIQでの黒レベル設定の不具合が修正された。特に、『Spider-Man 2』の修正は、AMD Ryzen 7000シリーズのユーザーにとって大きな改善であり、レイトレーシングとRadeon Anti-Lag 2の機能をフル活用できる環境が整ったことを意味する。

しかし、一方で依然として複数の既知のバグが存在しており、完全な安定性には至っていない。『FINAL FANTASY VII REBIRTH』の長時間プレイによるクラッシュや、『Warhammer 40,000: Space Marine 2』でのドライバータイムアウトは、依然として解決が求められる課題である。

特に後者に関しては、可変グラフィックスメモリの有効化による一時的な対処が推奨されているが、根本的な解決には至っていない。また、『Marvel Rivals』におけるスタッター問題も、FidelityFX Super Resolution 3のフレーム生成機能を無効化することで緩和できるが、AMDの最適化が完全でないことを示唆している。

新ドライバーの導入と安定性のバランス

今回リリースされたバージョン25.2.1はオプションのドライバーであり、必ずしもすべてのユーザーにとって安定性が保証されているわけではない。これは、新機能や最新ゲームへの対応を重視する一方で、安定性を重視するユーザーには慎重な判断が求められることを意味する。

特に業務用途やクリエイティブな作業に使用する場合、既存の安定バージョンからの移行にはリスクが伴う。ドライバーの互換性はRX 5000シリーズ以降のグラフィックスカードとRyzen統合型GPUに広がっており、Windows 10および11の64ビット版で利用可能である。

しかし、Windows用のAMD Cleanup Utility使用後に新ドライバーインストール時に発生する可能性のあるバグレポートツールの断続的な表示など、細かな不具合も存在する。これらを踏まえると、新ドライバーの導入は、用途と必要に応じた慎重な選択が重要といえる。

Source:Neowin