Microsoftは、Windows 11向けのEdgeブラウザに内蔵のビデオ録画機能「Live Capture」を試験導入している。現在、Canaryビルド135で確認されており、特定の設定を適用することで動作の一部を確認可能だ。この機能が正式実装されれば、専用ソフトウェアなしでブラウザ内の映像を記録できる可能性がある。音声録音の対応や保存オプションの追加など、今後の開発動向が注目される。

Microsoft Edgeはこれまで、スクリーンショット機能を強化してきたが、新たに「ビデオキャプチャ」機能の導入が進められている。開発段階の「Live Capture」は、Edgeのフローティングツールバーに統合され、ユーザーが選択した範囲を録画できる設計だ。しかし現時点では、録画開始には至らず、機能の全容は限定的である。

Windows 11には既に「Snipping Tool」などの画面録画機能が備わっているが、Edge単体で録画が可能になれば、追加ソフトウェア不要での簡易な映像記録が実現する。特に、ウェブ会議やオンライン講義の記録など、実用的な用途への展開が期待される。今後、音声対応や録画データの保存・共有機能が実装されるかが焦点となる。

MicrosoftはEdgeの改良に積極的であり、今回の「Live Capture」のほか、PDFリーダーの強化やタブ管理機能の改善も進めている。さらに、AIアシスタント「Copilot」の共有ボタン追加や、Android版のユーザーインターフェース刷新も計画されている。これらの機能が正式版に組み込まれることで、Edgeの利便性が一層向上する可能性がある。

Microsoft Edgeの「Live Capture」はどのように機能するのか

現在、Microsoft EdgeのCanaryビルド135では、新たに「Live Capture」と呼ばれる録画機能が試験導入されている。この機能は、スクリーンショットツールと同様に、フローティングツールバーからアクセス可能であり、ユーザーは選択した範囲の映像を記録することができる設計となっている。ただし、開発段階のため、録画開始の操作が行えず、動作は限定的である。

「Live Capture」の仕組みとしては、特定の機能ID(msEdgeWebCaptureLiveCapture)を適用することで有効化できることが確認されている。このプロセスは、Windows Latestが検証しており、ブラウザのショートカットを編集することで、ユーザー側でも試すことが可能である。しかし、現在利用できるのは録画機能ではなく、ブラウザの特定エリアを非表示にするポップアウトオプションのみとなっている。

ポップアウトオプションを使用すると、開いているタブの周辺要素を隠し、録画対象の範囲を制限できる。これにより、ツールバーやサイドバーが映像に含まれることを防ぐことができる。ただし、現時点ではブラウザ内の別タブを開いた際にどのように動作するか、また他のウィンドウとの連携が可能かどうかは明らかになっていない。今後のアップデートで、本格的な録画機能が実装されるかが焦点となる。

Edgeの録画機能がもたらす新たな可能性

Edgeに録画機能が実装されれば、ブラウザの利便性が大きく向上する可能性がある。現在、画面録画にはWindows 11の「Snipping Tool」や「Xbox Game Bar」などが利用できるが、これらはOSレベルの機能であり、ブラウザ単体での録画は想定されていない。特に、Web会議やオンライン講義の記録、ウェブページ上の動作検証など、ブラウザ単体での録画が必要な場面では、専用ソフトウェアを導入する必要があった。

一方で、「Live Capture」が正式にリリースされる場合、録画機能の範囲や仕様が重要なポイントとなる。たとえば、録画データの保存形式、録画時間の制限、音声の有無などがどのように設定されるかは未確定である。現状では音声録音の機能は確認されておらず、映像のみのキャプチャにとどまる可能性もある。

また、録画データの管理や共有のしやすさも鍵となる。既存のスクリーンショット機能と同様に、録画した映像を直接クラウドストレージやOneDriveにアップロードできる仕組みがあれば、業務用途でも活用しやすくなる。MicrosoftがEdgeにおいてCopilotとの連携を強化していることを考えれば、録画機能がAIによる要約や字幕生成と結びつく可能性も否定できない。今後の開発動向に注目が集まる。

Edgeの進化が示すMicrosoftの戦略とは

MicrosoftはEdgeの改良を継続的に進めており、「Live Capture」の導入もその一環である。近年、Edgeは単なるブラウザの枠を超え、PDFリーダーの強化、タブ管理機能の改善、Copilotの統合など、幅広い機能拡張を進めている。特に、業務用途での利便性を高めるための施策が目立ち、録画機能の追加もこの流れの一部と考えられる。

今回の試験導入を踏まえれば、MicrosoftがEdgeを「オールインワン」の作業ツールへと進化させようとしている可能性がある。現在、多くのユーザーは録画のためにサードパーティ製ソフトウェアを利用しているが、Edge内で完結できれば、導入コストや運用負担の軽減につながる。特に、企業環境においては、追加ソフトのインストールを制限しているケースも多く、Edgeのネイティブ機能として録画が可能になれば、導入が進むと考えられる。

また、MicrosoftはWindowsとEdgeの統合をさらに強化する動きを見せている。Windows 11の標準機能と組み合わせることで、録画データを迅速に編集・活用できる環境が整備される可能性がある。たとえば、録画データを直接「Snipping Tool」や「Photos」アプリで編集できるようになれば、よりスムーズなワークフローが実現する。

今後の展開として、Edgeの録画機能が一般向けに展開されるかどうかは不明だが、企業や教育機関向けに特化した機能として導入される可能性も考えられる。Microsoftがどのような形で正式リリースを進めるのか、引き続き動向を注視していく必要がある。

Source: Windows Latest