2025年2月11日、MicrosoftはWindows Server 2022向けの累積的なセキュリティ更新プログラム「KB5051979」をリリースした。この更新により、OSビルドは20348.3207に更新され、先月のアップデート以降報告されていたUSBデバイスやデジタル/アナログ変換器(DAC)に関する問題が修正された。
具体的には、USB 1.0ベースのDACデバイスが動作しなくなる不具合や、接続されたカメラデバイスをシステムが認識しない問題が解消されている。また、予測入力機能に関連するメモリリークや、シンボリックリンクへのアクセス時にシステムが応答を停止する問題など、多岐にわたる修正が含まれている。
一方で、OpenSSHやCitrixとの互換性問題、System Guard Runtime Monitor Broker Serviceに関連するエラーメッセージの表示など、依然として一部の問題が残っており、これらについてはMicrosoftが提供する回避策の適用が推奨される。最新の更新プログラムは、Windows UpdateやMicrosoft Update Catalogなどから入手可能である。
Windows Server 2022 KB5051979の具体的な修正点と影響

KB5051979では、1月の更新で発生したUSBデバイスの不具合を中心に多くの修正が施された。特に、USB 1.0を利用するDACデバイスが動作しなくなる問題は、オーディオインターフェースを使用する環境に大きな影響を及ぼしていた。
デバイスマネージャーでエラーコード10が表示され、USB接続の外部機器が認識されないケースも報告されていたが、今回のアップデートでこの問題が解決された。また、予測入力アイデア機能に関連するメモリリークの修正も重要である。長時間のサーバー運用において、不要なメモリ使用の蓄積はシステムパフォーマンスの低下につながる。
この修正により、安定した動作が期待される。一方で、シンボリックリンクの誤動作が修正された点も注目に値する。特定のリンクを開くとシステムがクラッシュする事象が報告されていたが、KB5051979の適用でこの問題が解消された。
ただし、すべての問題が解決されたわけではない。System Guard Runtime Monitor Broker Serviceに関連するエラーメッセージが依然として表示されるケースが確認されている。Microsoftは「OSの動作には影響を与えない」と説明しているが、システムログに不要な警告が蓄積されることは、運用管理の観点から好ましくない。
また、OpenSSHやCitrixとの互換性問題も依然として発生しており、特定の回避策を適用しなければ、システム運用に支障をきたす可能性がある。
Windows Server 2022の更新方針と今後の展開
Windows Server 2022は、定期的な累積更新によってセキュリティと安定性を維持している。しかし、今回のように更新によって新たな不具合が発生し、それが翌月の更新で修正されるという流れが続いている。特に、先月のDAC問題やUSBデバイスの認識不良は、企業のITインフラに大きな影響を与えた。
こうした状況を踏まえると、単純なセキュリティパッチ適用だけでなく、各更新の内容を慎重に評価し、適用のタイミングを見極めることが求められる。今後の展開として、Windows Server 2025のリリースが控えている点も注目される。
すでに、NDIS Poll Modeを有効にすると起動エラーが発生する問題が報告されていたが、2月の更新で修正された。これは、新バージョンへの移行を検討している企業にとって重要なポイントであり、Windows Server 2022から2025へのアップグレード時の互換性や安定性が問われることになる。
また、MicrosoftはWindows 11向けにもKB5051989やKB5051987をリリースしており、サーバーOSとクライアントOSの両方でセキュリティ強化を図っている。サーバー環境では、企業ごとのシステム構成に依存する部分も多いため、今後も各アップデートの影響を分析し、適用の可否を判断する慎重な運用が必要となるだろう。
Source:Windows Latest