Microsoftが配信したWindows 11の累積更新プログラムKB5051987が、一部のユーザー環境で重大な不具合を引き起こしている。特に、ファイルエクスプローラーが応答しなくなる現象が多く報告されており、デスクトップやフォルダへのアクセスが制限されるケースが相次いでいる。

また、更新プログラムのインストールに失敗する事例も目立ち、一部の端末では進行率96%で停止し、「計画通りに進まなかった」とのエラーメッセージが表示される。さらに、パフォーマンス低下やカメラの動作不良、マウスの遅延といった問題も指摘されており、影響範囲は広がりを見せている。

これらの不具合に対し、ユーザーの間では更新プログラムのアンインストールを行う動きが広がっているが、根本的な解決策は未だ提示されていない。Microsoftの対応が待たれる状況だ。

ファイルエクスプローラーの異常動作 ユーザー環境で発生する具体的な症状

Windows 11 KB5051987の適用後、多くのユーザーがファイルエクスプローラーの異常動作を報告している。通常の操作では、デスクトップやドキュメント、ピクチャといったフォルダを開こうとすると、エクスプローラーが応答しなくなる現象が発生している。

さらに、デスクトップのショートカットやWindows検索を経由してファイルエクスプローラーを起動しようとしても、何の反応も見られないケースが多い。しかし、プロセスレベルではexplorer.exeは正常に動作していると確認されており、完全なクラッシュには至っていない。

例えば、一部のユーザーは「エクスプローラーのサイドバーからホームギャラリーは開けるが、それ以外のフォルダが開けない」と報告している。このことから、特定のフォルダ構造やアクセス方法に問題が生じている可能性が考えられる。

また、サイドバーの矢印をクリックしてフォルダを展開しようとしても、画面上には何の変化もなく、内容が表示されない。この症状は複数の環境で確認されており、Microsoftの公式フォーラムやWindows関連メディアにも多くの報告が寄せられている。

現在のところ、明確な回避策は提示されておらず、一部のユーザーはシステムの復元やKB5051987のアンインストールを試みている。しかし、それでも問題が完全には解決しないケースもあり、根本的な修正が求められている。

KB5051987のインストール失敗とシステムパフォーマンス低下 影響の広がり

ファイルエクスプローラーの不具合に加え、KB5051987のインストール自体が失敗する問題も相次いで報告されている。Windows Latestによると、一部の端末ではインストールが96%で停止し、「計画通りに進まなかった」とのエラーメッセージが表示されるケースが確認されている。

この際、エラーコード0x80070003が示されることが多く、特定の更新ファイルが見つからないか、何らかの整合性の問題が生じている可能性がある。さらに、更新プログラムのダウンロードが著しく遅くなる問題も発生している。

特に、一部のMSI製マザーボードを使用している端末では、ダウンロード進行率が0%のまま数時間経過し、ようやく進んだと思えば突然100%に達してインストールされる現象が確認されている。このような不安定な動作が、多くのユーザーに混乱をもたらしている。

加えて、KB5051987を適用した後、システム全体のパフォーマンスが低下するケースも見られる。例えば、マウスの動きがぎこちなくなり、文字入力の遅延が発生するといった症状が報告されている。1月のオプション更新プログラム(KB5050094)でも同様の問題が指摘されていたが、今回の更新ではさらに影響が拡大しているようだ。

これらの事象が発生した場合、一時的な対策としてWindowsの更新ファイルを保存するSoftwareDistributionフォルダの削除が推奨されている。しかし、完全な解決には至らず、今後の修正アップデートが求められる状況にある。

今後の展開とMicrosoftの対応が求められるポイント

今回のKB5051987の不具合は、ファイルエクスプローラーの動作停止やインストール失敗にとどまらず、システム全体の安定性にも影響を与えている。特に、Windowsの基本機能であるファイル管理に関わる問題であるため、多くのユーザーにとって業務や日常の作業に支障をきたす事態となっている。

現在のところ、Microsoftからは正式な対応策や修正パッチに関するアナウンスは行われていない。しかし、これまでの累積更新プログラムの事例を考慮すると、数週間以内に修正パッチが提供される可能性が高い。これに対し、一部のユーザーは「正式な修正が提供されるまで、更新を延期すべき」との意見を述べている。

また、過去のWindowsアップデートでは、特定のハードウェアやドライバとの互換性問題が原因で不具合が発生するケースも多かった。今回のKB5051987に関しても、特定の環境でのみ影響が出ている可能性があり、今後Microsoftがどのように問題の原因を特定し、対応策を示すかが注目される。

現時点での最善の対応策としては、KB5051987をアンインストールし、更新を一時的に延期することが考えられる。また、次回のオプション更新(2月第3週に予定)を待ち、それが問題を解決するかどうかを慎重に見極める必要がある。Microsoftの迅速な対応が期待される。

Source:Windows Latest