Microsoftは、Windows 11 バージョン 24H2の公式CPUサポートリストを公開し、AMDのRyzen 8000シリーズを新たに追加した。しかし、Ryzen 9000シリーズやRyzen AI Max+、300シリーズなど、最新のプロセッサは依然としてリストに含まれていない。一方、Intelの第8世代から第10世代のプロセッサはサポート対象から外され、多くのユーザーに影響を及ぼす可能性がある。

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この変更により、最新のWindows 11アップデートを適用するためには、ハードウェアのアップグレードが必要となる場合がある。Microsoftの公式ウェブサイトで、完全なサポートリストを確認できる。ユーザーは、自身のシステムが最新の要件を満たしているか確認し、必要に応じて適切な対応を検討することが求められる。

Microsoftが追加したAMD Ryzen 8000シリーズの特徴と市場への影響

MicrosoftがWindows 11 24H2の公式CPUサポートリストを更新し、新たにAMDのRyzen 8000シリーズを加えた。これにより、最新のAMDプロセッサを搭載するPCが、公式にWindows 11のアップデートを適用できるようになった。

このシリーズはデスクトップ向けとモバイル向けの両方が含まれ、特にRyzen 7 8700GやRyzen 5 8600Gなど、内蔵グラフィックス性能を重視したモデルが多く見られる。Ryzen 8000シリーズは、Zen 4アーキテクチャを採用し、AI機能の強化や電力効率の向上が特徴とされている。

特に、ノートPC向けのモデルではバッテリー持続時間の改善が期待されており、モバイルワークステーションやゲーミングノートPC市場において優位性を持つ可能性がある。Microsoftがこのシリーズをサポートリストに追加したことで、今後のWindows 11の機能拡張にも影響を与えると考えられる。

一方で、AMDの最新プロセッサの中でもRyzen 9000シリーズやRyzen AI Max+がサポート対象に含まれていない点は注目に値する。これらのモデルはすでに市場に登場しており、高性能を求めるユーザーにとっては有力な選択肢となるはずだが、Microsoftのリストには載っていない。

この背景には、ドライバやファームウェアの適用状況、MicrosoftとAMDの間の技術的調整が影響している可能性がある。

Windows 11 24H2でサポート対象から外れたIntelプロセッサの動向

Microsoftの最新のサポートリストでは、一部のIntelプロセッサが削除されている。特に、第8世代から第10世代のCoreシリーズの一部が含まれており、これらのCPUを搭載するPCユーザーにとっては、今後のアップデート対応が不透明となった。

Windows 11は当初、第8世代Core以降を最低要件としていたが、最新バージョンではそれよりも新しいプロセッサへの移行が求められる形となる。この変更が意味するのは、MicrosoftがWindows 11の最適化をより新しいハードウェア向けに進めているということだ。

特に、最新のIntel Core Ultraシリーズや、第12世代以降のAlder Lake、Raptor Lake、Meteor LakeといったCPUに最適化される可能性が高い。これにより、AI機能の強化や、消費電力の最適化といったWindows 11の新機能がより活かせる環境が整うことになる。

しかし、サポート対象から外れたIntelプロセッサを搭載したPCを使用する企業や個人にとっては、対応が必要となる。公式サポートが外れたCPUでWindows 11 24H2を使用し続けることは技術的には可能かもしれないが、今後のアップデートによって互換性問題が発生するリスクも考えられる。

そのため、対象となるユーザーはハードウェアのアップグレードを視野に入れるか、今後のMicrosoftの発表を注視する必要がある。

Windows 11 24H2のハードウェア要件の厳格化が示唆する今後の展開

今回のサポートリストの更新は、MicrosoftがWindows 11をより高性能なPC環境へとシフトさせる方向性を明確にしていることを示唆している。特に、Ryzen 9000シリーズやIntelの一部プロセッサが対象外となったことからも、同社が最新のAI機能や電力効率向上技術を持つCPUに焦点を当てていることが分かる。

Microsoftはこれまで、Windows 11においてTPM 2.0の必須化など、セキュリティ面を強化するハードウェア要件を導入してきたが、今回のCPU要件の変更もその延長線上にあると考えられる。今後、Windows 11のアップデートではAIを活用した機能がさらに強化される可能性があり、それに伴いハードウェア要件もさらに厳しくなることが予想される。

この流れを踏まえると、企業や個人ユーザーは今後のハードウェア更新計画を慎重に検討する必要がある。特に、Windows 11の新機能を最大限に活用するためには、対応する最新のCPUを搭載したデバイスへの移行が求められる。Microsoftの公式発表を定期的にチェックし、最適なハードウェア選択を行うことが、今後のWindows環境での生産性向上に寄与するだろう。

Source:MicrosoftNeowin