Appleが初の折りたたみ式スマートフォン「iPhone Fold」を2026年に発売するとの情報が浮上している。韓国メディアKIPOSTによれば、同社は2026年5月に量産を開始し、9月には市場投入を予定しているという。このデバイスは、外部ディスプレイが5.5インチ未満、内部ディスプレイが7.74インチとされ、展開時にはiPad miniに匹敵するサイズとなる見込みだ。

また、折りたたみディスプレイの供給はSamsung Displayが独占的に担当すると報じられている。さらに、年間製造台数は1,500万台から2,000万台と予測されており、これはSamsungのGalaxy Zシリーズの販売台数を上回る可能性がある。ただし、これらの情報は公式発表ではなく、今後の動向に注目が集まる。

Appleの折りたたみ戦略が他社と一線を画す理由

Appleの折りたたみスマートフォン「iPhone Fold」が、既存の折りたたみ端末とは異なるアプローチを採用する可能性が高い。SamsungやGoogleが既に市場に投入しているモデルは、一般的にスマートフォンとタブレットの中間的なサイズ感を持ち、折りたたむことで携帯性を向上させる設計が主流だ。

しかし、Appleの折りたたみ端末は、iPad miniに近いサイズを持ちながらも、スマートフォンとしての機能性を最大限に活かす形になるとみられる。Appleはこれまで、折りたたみディスプレイ技術に慎重な姿勢をとってきた。その背景には、耐久性やヒンジ技術の成熟度、ユーザー体験の最適化といった課題があると考えられる。

他社の折りたたみスマートフォンは、ディスプレイの折り目や耐久性の問題を完全には克服できておらず、長期使用時の品質維持が課題となっている。Appleが市場に投入する場合、これらの問題に対して明確な解決策を提示する可能性がある。

また、Appleは新たな市場カテゴリーを創出する戦略を得意とする企業であり、単なる折りたたみスマートフォンではなく、既存のiPadやMacとの連携を強化することで、他社とは異なるユーザー体験を提供することが予想される。折りたたみスマートフォン市場が成長する中で、Appleが独自の価値を打ち出せるかが今後の焦点となるだろう。

Samsungとの競争と折りたたみスマホ市場の未来

折りたたみスマートフォン市場は、これまでSamsungがリードしてきた。Galaxy Z Foldシリーズは、第6世代まで進化し、耐久性やユーザー体験の向上を続けている。AppleがiPhone Foldを投入することで、この市場における競争はさらに激化するとみられる。

特に、Appleがディスプレイ供給をSamsung Displayに依存するとされる点は、競争構造に複雑な影響を与える可能性がある。現在、折りたたみスマートフォン市場はニッチな存在にとどまっているが、今後の成長が期待されている。

IDCの市場予測によると、折りたたみスマートフォンの出荷台数は年々増加しており、数年内には高価格帯スマートフォン市場において重要な位置を占めるとみられている。ただし、価格の高さや耐久性の問題が市場拡大の障壁となっており、これを克服できるメーカーが主導権を握ることになるだろう。

Appleはブランド力とエコシステムの強みを生かし、折りたたみスマートフォンの市場価値を再定義する可能性がある。iPhone Foldの登場は、Samsungの市場支配力に大きな影響を与えると考えられる一方で、Apple自身も新たな技術的課題に直面することになる。価格設定やデザインの最適化が成功すれば、折りたたみスマートフォンがプレミアム市場の主流となる転機となるかもしれない。

Source:T3