Windows 11の最新アップデート「KB5051987」を適用したユーザーから、ファイルエクスプローラーが開かなくなる重大な不具合が報告されている。ファイルエクスプローラーは、PCのファイル管理を担う中核的な機能であり、その不具合は業務に支障をきたす可能性が高い。

本件は、Windows情報サイト「Windows Latest」によって指摘されており、デスクトップのショートカットや検索機能を利用してもフォルダを開けないケースが確認されている。加えて、アップデートのインストール自体が失敗するケースや、特定のハードウェアにおける動作不良も発生しており、影響範囲は広がる一方だ。

現時点での解決策としては、アップデートをアンインストールするか、代替のファイル管理ソフトを利用する方法が挙げられる。Microsoftが修正パッチをリリースするまでの間、慎重な対応が求められる。

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Windows 11 KB5051987が引き起こす不具合の詳細と影響範囲

Windows 11の最新アップデートKB5051987が、ファイルエクスプローラーの機能不全を引き起こしていることが明らかになった。この不具合では、フォルダが開かなくなるだけでなく、デスクトップショートカットやWindows検索経由でのアクセスも不能になる。

しかし、タスクマネージャー上ではエクスプローラーのプロセス(explorer.exe)が正常に動作しているため、アプリのクラッシュとは異なる現象といえる。加えて、ファイルエクスプローラーの問題だけでなく、KB5051987には他にも多数の不具合が確認されている。

アップデートのダウンロードが0%のまま進まないケースや、インストール時に「何かがうまくいきませんでした」というエラーが発生し、適用自体ができない問題が発生している。さらに、一部のハードウェアでは深刻な障害が報告されており、HP Spectreの内蔵カメラが無効になる、Nvidia RTX 4090のパフォーマンスが低下する、最悪の場合はWindows自体が起動しなくなるといった影響もある。

このように、KB5051987は多岐にわたるシステムへの影響を及ぼしているが、特にファイルエクスプローラーの機能不全は業務に与える影響が大きい。データの閲覧や管理ができなくなることで、作業の効率が大幅に低下する可能性がある。特に、リモートワーク環境ではクラウドストレージやローカルデータへのアクセスが困難になり、作業が完全に停止するリスクすらある。

アップデートの問題を回避するための具体的な対処策

この深刻な不具合に対して、最も有効な対応策はKB5051987のアンインストールである。Windowsの設定メニューから「Windows Update」の履歴を確認し、該当する更新プログラムを削除することで、以前の正常なバージョンに戻すことが可能だ。

ただし、このアップデートは必須のセキュリティパッチとして指定されているため、通常の設定では自動的に再インストールされる可能性が高い。これを防ぐためには、Windows Updateの自動更新を一時的に無効にする必要がある。

一時的にアップデートを無効にするには、「設定」アプリの「Windows Update」セクションにアクセスし、「更新を一時停止」オプションを選択することで、最大5週間の猶予を得ることができる。これにより、Microsoftが修正パッチを提供するまでの間、不具合の発生を回避できる。

また、Windowsのファイル管理機能が使えなくなった場合の代替策として、サードパーティ製のファイルマネージャーアプリを導入する方法もある。「Total Commander」や「XYplorer」など、Windowsエクスプローラーと同等の機能を備えたソフトを活用すれば、一時的にファイル操作を継続できる。

加えて、ハードウェア面での不具合を回避するためには、影響を受けるデバイスを利用している場合は、ドライバーの更新を行うか、Windowsの設定を変更することで問題を回避できる可能性がある。特にNvidiaのGPUを使用している場合、最新のドライバーを適用することでパフォーマンス低下の問題を軽減できる場合がある。

Microsoftのアップデート品質管理への疑問と今後の展望

今回の不具合を受けて、Windowsのアップデート品質管理に対する疑問が再燃している。MicrosoftはWindows 11のリリース以降、頻繁に機能追加やセキュリティ修正を行っているが、そのたびに何らかの不具合が発生するケースが目立つ。

特にファイルエクスプローラーのような基本機能に関する障害は、多くのユーザーに影響を及ぼすため、事前の検証体制に課題があると言わざるを得ない。Windows Insider Programなどのベータテストを経て、安定版としてリリースされたにもかかわらず、このような重大な問題が発生するのは、テスト環境と実際の利用環境の乖離が要因と考えられる。

特定の環境下でしか再現しない不具合が見落とされることも多く、企業向けシステムの安定運用には慎重な判断が求められる。今後、Microsoftが迅速に修正パッチをリリースすることが期待されるが、それまでの間、ユーザー側でのリスク回避策が不可欠である。

Windows 11の更新を適用する前に、最新の不具合情報を収集し、安定性が確認されるまでアップデートを保留するのが賢明だ。特に業務で使用するPCに関しては、最新のアップデートがもたらす影響を事前に検証し、トラブル発生時に迅速に対応できる体制を整えておく必要がある。

Source:Windows LatestMakeUseOf