Microsoftが2025年2月11日にリリースしたWindows 11の累積更新プログラム「KB5051987」により、エクスプローラー(File Explorer)の動作不良やインストールの失敗など、複数の問題が報告されている。

特に、デスクトップやドキュメント、ピクチャなどのフォルダを開こうとするとエクスプローラーが応答しなくなる現象や、更新プログラムのインストールが96%で停止しエラーが表示されるケースが多発している。

さらに、カメラの動作不良やマウスの動きのカクつきといった問題も指摘されており、ユーザーからの不満が高まっている。これらの問題に対し、Microsoftは現在調査中であり、公式な修正パッチの提供が待たれている。

Windows 11アップデートKB5051987の影響とエクスプローラーの不具合の詳細

今回のWindows 11の累積更新プログラムKB5051987が適用された後、多くのユーザーがエクスプローラーの深刻な動作不良に直面している。エクスプローラーはWindowsの基本的なファイル管理機能を提供するため、この問題は日常業務に影響を及ぼす可能性が高い。

特に、デスクトップや「ドキュメント」「ピクチャ」などのフォルダを開こうとしても反応しないケースが報告されている。さらに、ナビゲーションペインでフォルダを展開する機能も正常に動作しない。これにより、ファイルへのアクセスが著しく制限され、作業効率が低下している。

興味深い点として、タスクマネージャーを確認すると「explorer.exe」のプロセスは起動しており、完全にクラッシュしているわけではないという報告がある。そのため、プログラムの停止ではなく、一部の機能がブロックされている可能性が指摘されている。

また、サードパーティ製のカスタマイズツールを使用していない環境でも不具合が発生していることから、Microsoftの標準環境下でも影響が広がっていることが分かる。これまでのWindowsアップデートでは、エクスプローラーの細かな不具合が発生することはあったが、今回のような大規模な動作停止に至るケースは稀である。

Microsoftはアップデートの安定性向上を重視しているが、頻繁なパッチ提供が逆に新たなバグを引き起こす負の連鎖を生んでいるとも考えられる。今後の修正アップデートの提供が急がれる状況である。

Windows 11のアップデート失敗問題とユーザーの対策

Windows 11の最新アップデートKB5051987では、エクスプローラーの問題だけでなく、そもそもインストールが完了しないという報告も相次いでいる。この問題は特定の環境で発生しているわけではなく、広範囲のユーザーに影響を与えていると見られる。

よく報告されている現象としては、アップデートのインストールが「96%で停止する」「エラーメッセージが表示される」「0%のまま進まない」といったものが挙げられる。特に、MSI(Micro-Star International)製のPCでは、アップデートのインストールが数時間以上停止したままになるケースがあり、手動での介入が求められる場合もある。

これに対して、一部のユーザーは「Windows Updateのキャッシュを削除することで改善した」と報告している。具体的には、C:\Windows\SoftwareDistribution フォルダを削除し、Windows Updateを再実行する方法が推奨される。しかし、これはシステムファイルを変更する行為であり、慎重な対応が求められる。

また、アップデートが完全に適用されるまでに数時間から一晩かかる場合もあり、単に時間をおいて様子を見ることで問題が解決するケースもある。Microsoftはこの問題を把握している可能性が高く、今後のパッチで修正される可能性があるが、現時点では公式の対応策は発表されていない。

このように、アップデートの適用に関する問題は、エクスプローラーの不具合とは異なる角度でユーザーに影響を及ぼしている。特に、業務用PCなどでWindowsの安定性を重視する環境では、更新の適用を慎重に判断する必要があるだろう。

Windows 11の2024年版に残る課題と今後の展望

Windows 11は2024年版のリリース以降、多くの問題を抱えている。今回のアップデートに限らず、過去のアップデートでもセキュリティパッチと同時に予期せぬ不具合が発生することがあり、Microsoftの品質管理に対する疑問の声も上がっている。

また、Windows 10のサポートが2025年10月に終了することが発表されているため、多くのユーザーがWindows 11への移行を進めざるを得ない。しかし、今回のような不具合が続く場合、企業や個人ユーザーが移行をためらう要因となる可能性がある。

特に、Windows 11は「タスクバーのカスタマイズ制限」や「従来のエクスプローラー機能の変更」など、操作性の変化に対する不満も根強い。MicrosoftはAI機能やパフォーマンス改善を強化しているものの、基本的な安定性の確保が求められる。特に、Windows 10からの移行が進む中で、今回のようなアップデートの不具合が繰り返されると、ユーザーの信頼を損なう可能性がある。

今後の展開として、Microsoftは「インサイダープログラム」を活用したフィードバック収集を強化し、不具合の早期発見と修正に注力することが求められる。また、企業向けの長期サポート版(LTSC)の提供など、より安定した運用環境を提供することも課題となるだろう。

Windows 11が安定したプラットフォームとして定着するためには、Microsoftが今後どのような対応を取るかが鍵となる。

Source:ZDNET