Nvidiaの最新GPU「RTX 5070 Ti」のベンチマークとレビューが明らかになり、その性能がRTX 5080に迫る水準であることが判明した。特に『Cyberpunk 2077』の4K環境でのテストでは、前世代のRTX 4070 Ti Superを20%上回る結果を示し、フレーム生成技術による最適化も進んでいる。

一方で、最大の課題は適正価格での入手が可能かどうかという点にある。発売予定価格は$749（約11万円）とされるが、供給不足と高い需要により、小売価格が大幅に上昇する可能性が指摘されている。また、Nvidia純正のFounders Editionが存在しないため、価格のコントロールが難しく、市場における価格変動が大きくなることが予想される。

RTX 5070 Tiのベンチマークが示す実力と技術的進化

RTX 5070 Tiのベンチマーク結果が公開され、その性能はRTX 5080に迫るものと評価されている。特に『Cyberpunk 2077』の4K環境におけるテストでは、RTX 4070 Ti Superよりも約20%高速であることが明らかとなった。これは新たなアーキテクチャの改良と、DLSS 4などのフレーム生成技術の進化が寄与していると考えられる。

このGPUは、RTX 5080と同じGB203チップを採用しており、処理能力の面でも上位モデルに近い性能を持つことが特徴だ。KitGuruのベンチマークによると、RTX 5080との差は4K最高設定（DLSS 4なし）で19.2%程度であり、DLSS 4を有効にすれば差はさらに縮小する可能性がある。この点は、消費者が価格と性能のバランスを考慮する際の重要な要素となる。

また、RTX 5070 Tiは前世代のRTX 3000シリーズと比較しても大幅な進化を遂げている。フレーム生成技術の改良によって、従来よりもスムーズなゲームプレイが可能となり、ゴースト現象の低減も確認されている。特にリフレッシュレートの高いモニターを使用するユーザーにとっては、この点が大きなメリットとなる。RTX 4070 Ti Superとの差は明確であり、性能面では優位性を持つが、価格面での判断が最終的な決め手となるだろう。

供給不足と価格高騰が市場に与える影響

RTX 5070 Tiの性能は確かに優れているが、その最大の問題は適正価格での入手が困難であることだ。Nvidiaは本製品の発売予定価格を$749（約11万円）と設定しているが、供給不足の影響により、小売市場での価格が大幅に上昇する可能性がある。RTX 5090やRTX 5080でも同様の状況が発生しており、転売市場の影響を受けやすい点は見逃せない。

さらに、RTX 5070 TiにはNvidia純正のFounders Editionが存在しないため、価格設定は各小売業者に委ねられることになる。このため、販売開始直後に市場価格が上昇し、その後しばらく価格が安定しないという事態も考えられる。特に、RTX 4070 Ti Superとの差別化が価格面で明確でない場合、消費者の判断は難しくなる。

この供給不足は、半導体業界全体の生産体制やNvidiaの戦略にも関係している。RTX 5090の供給が1か月ほどで改善するといった情報もあるが、RTX 5070 Tiに関しては依然として不透明な部分が多い。消費者が本製品を適正価格で入手できるかどうかは、供給状況の変化を注視する必要があるだろう。

RTX 5070 Tiは本当に「買い」なのか

RTX 5070 Tiの購入を検討する上で最も重要なポイントは、現在使用しているGPUとの性能差と価格のバランスである。RTX 4070 Ti Superをすでに持っている場合、アップグレードの必要性は低いと考えられる。性能向上は約20%とされるが、それに見合う価格差があるかどうかが問題となる。

一方で、RTX 3000シリーズ以前のGPUを使用している場合、RTX 5070 Tiは有力な選択肢となる。特に、4K環境でのパフォーマンス向上は顕著であり、DLSS 4の恩恵を最大限に受けられる点が大きい。ただし、発売直後の高価格が続く場合、少し待って価格が安定するのを待つのも賢明な判断となるかもしれない。

また、AMDのRX 9070シリーズやIntelの「Celestial」GPUの動向も考慮する必要がある。AMDはRTX 5070 Tiの発売に合わせて新製品のレビューを解禁する可能性があり、競争が激化することで価格調整が行われる可能性もある。Intelの参入が本格化すれば、市場全体の価格競争が促されることも期待できる。RTX 5070 Tiを購入するかどうかは、こうした市場の変化を見極めながら慎重に判断するべきだろう。

Source：TechRadar