中古車オンライン販売を展開するCarvana(CVNA)は、第4四半期決算で市場予想を上回る収益と利益を計上した。しかし、好調な業績にもかかわらず、発表後の株価は11%下落し、市場の評価は分かれている。

小売販売台数は前年同期比50%増の11万4,379台、売上高は46%増の35億5,000万ドルと堅調な成長を見せた。調整後EBITDAは13億8,000万ドル、純利益は4億400万ドルと、収益構造の改善が明確に示された。それにもかかわらず、1台当たりの収益の低下や粗利益率の縮小が投資家の懸念を呼んだと考えられる。

今後、同社は販売チャネルの多様化やコスト削減を進め、利益率向上を図る方針だ。市場シェア拡大の継続が見込まれる中、現在の株価下落は長期的な成長を見据えた投資家にとって魅力的なエントリーポイントとなる可能性がある。

Carvanaの第4四半期決算は市場予想を上回るも、株価下落の要因とは

Carvana(CVNA)は2024年第4四半期決算で力強い回復を示した。売上高は前年同期比46%増の35億5,000万ドル、純利益は4億400万ドルを計上し、4四半期連続で黒字を達成した。さらに、小売販売台数は50%増の11万4,379台となり、旺盛な需要を背景に業績は拡大した。

しかし、決算発表後の株価は11%下落した。この要因として、小売販売1台当たりの収益の低下が挙げられる。第3四半期の23,405ドルから、第4四半期は22,312ドルへと減少し、市場の懸念を招いた。また、小売部門の粗利益(GPU)も低下し、3,617ドルから3,331ドルに縮小した。

これらの要因は、小売マーケットプレイス経由の販売台数が増加したことに起因している。Carvanaはマーケットプレイスパートナー経由での取引を拡大しており、これが1台当たりの収益を押し下げる構造となっている。市場はこの変化をネガティブに捉え、好調な業績にもかかわらず株価は下落したと考えられる。

Carvanaの成長戦略と収益構造の変化

Carvanaは中古車の小売販売を軸としながらも、多角的な収益モデルを展開している。車両販売だけでなく、金融サービスや下取り、関連商品の販売などを収益源としており、これらが業績を支える要素となっている。今後、マーケットプレイス経由での販売が増加することで、全体の販売台数は拡大する一方、収益構造の変化が株価に影響を与える可能性がある。

また、同社はコスト削減にも注力しており、運営効率の向上を進めている。販売・一般管理費(SG&A)の削減を進めることで、利益率の向上を目指している。2024年第4四半期の純利益率は3.1%に達し、財務健全性が改善していることが示された。さらに、純負債対調整後EBITDA比率は2.8倍、調整後EBITDA対利息費用比率は2倍以上となり、財務基盤の強化も進んでいる。

しかし、1台当たりの収益や粗利益の低下が続く場合、利益率の改善には時間を要する可能性がある。規模の拡大とともに収益構造が変化する中で、投資家は同社の成長戦略が持続的な利益創出につながるかを慎重に見極める必要があるだろう。

株価下落は買いの好機となるか

Carvanaの株価は過去1年間で急騰しており、現在の下落は一時的な調整の可能性もある。同社は市場シェアの拡大を続けており、成長戦略が順調に進めば、株価の回復も期待できる。

一方で、短期的には小売部門の粗利益率の低下やマーケットプレイス経由の販売増加による影響が続く見込みである。2025年第1四半期も、小売マーケットプレイスのシェアが第4四半期と同程度になると予想されており、売上高の伸びと利益率の動向が市場の注目を集めるだろう。

現在、ウォール街のアナリストはCarvana株に対して「適度な買い(Moderate Buy)」の評価を付けており、長期的な視点での成長ポテンシャルを評価している。株価の下落が続く場合、長期投資家にとっては買いの好機となる可能性がある。今後の業績発表や市場環境の変化を注視しながら、慎重に判断することが求められる。

Source:Barchart.com