オクシデンタル・ペトロリアム(OXY)が、ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイの注目を集め続けている。直近では3,570万ドル分の株式を追加取得し、保有比率は28.8%に達した。オクシデンタルは現在、バークシャーの投資ポートフォリオの6番目に位置し、その重要性が高まっている。

この評価の背景には、オクシデンタルの堅調な業績がある。第4四半期の生産量は市場予測を上回り、特にパーミアン盆地とロッキー山脈での成長が寄与した。原油価格の下落を相殺する形で利益を維持し、31億ドルのキャッシュフローを創出。負債削減と配当増加を同時に進め、安定した財務基盤を築いている。

さらに、同社は炭素回収・貯留技術や化学事業にも注力し、長期的な収益の多角化を図る戦略を明確にしている。こうした動きが、バフェットの追加投資を正当化する要因となっている。今後、同社の成長戦略が市場の期待を超えられるかが焦点となる。

バークシャーがオクシデンタル株を買い増す理由とは

バークシャー・ハサウェイは、オクシデンタル・ペトロリアムの株式を28.8%まで買い増し、同社のポートフォリオにおける6番目の主要銘柄とした。この継続的な投資の背景には、オクシデンタルの安定した業績と将来の成長がある。第4四半期の生産量は1日あたり150万バレルを超え、パーミアン盆地とロッキー山脈の開発が奏功した。原油価格の下落が続く中でも利益を維持し、財務の健全性を示した。

また、オクシデンタルは2023年末にクラウンロックを120億ドルで買収し、その後の負債削減を急いでいる。2024年には短期目標であった45億ドルの返済を7か月前倒しで達成し、追加の資産売却も計画している。この積極的な財務管理が、バークシャーの評価をさらに高める要因となった。

加えて、同社の石油・ガス事業以外の分野にも注目すべき動きがある。OxyChemの堅調な業績や、カーボンクレジットを活用した炭素回収事業への投資が、今後の成長に寄与すると考えられる。これらの要素を踏まえると、バークシャーの投資判断は、短期的な株価の変動ではなく、長期的な成長と収益安定性を重視したものだといえる。

負債削減と成長投資のバランスをどう保つか

オクシデンタル・ペトロリアムは、クラウンロック買収により大きな負債を抱えたものの、その返済を急速に進めている。2024年には短期負債45億ドルの返済を前倒しで完了し、追加の12億ドルの資産売却も決定した。これは、今後の財務戦略において重要なステップとなる。

しかし、同社は負債削減と同時に成長投資にも積極的だ。2024年の資本支出は74億~76億ドルに達する見込みで、前年の74億ドルをわずかに上回る。この資本の多くは、パーミアン盆地とロッキー山脈に投じられ、原油生産の持続的な成長を支える。また、ストラトス炭素回収・貯留ハブの建設にも資金を投入し、環境対応と新たな収益源の確保を狙う。

このように、同社は負債削減を進めながらも、収益を確保するための投資を怠らない。短期的にはキャッシュフローの圧迫が懸念されるが、長期的にはエネルギー市場の変化に適応し、持続的な成長を実現する可能性がある。今後の課題は、石油・ガス市場の変動リスクをどう管理し、安定した資本運用を維持できるかにある。

カーボンニュートラル戦略が今後の成長を左右する

オクシデンタル・ペトロリアムは、従来の石油・ガス事業だけでなく、環境対応型の事業拡大にも注力している。その象徴的なプロジェクトが、2024年に稼働予定のストラトス炭素回収・貯留ハブである。この施設は、年間25万トンの二酸化炭素を回収する計画で、2025年半ばまでにフル稼働を目指す。

このプロジェクトは、二酸化炭素の回収だけでなく、カーボンクレジットの販売による安定したキャッシュフローを生み出す狙いがある。環境規制の強化や企業の脱炭素ニーズが高まる中、こうした技術は新たな収益機会となる。加えて、OxyChemのバトルグラウンド拡張プロジェクトも進行中で、これが完了すれば2026年以降の年間利益が3億2,500万ドル押し上げられる見込みだ。

ただし、これらのプロジェクトが期待通りの成果をもたらすかは未知数である。カーボンクレジット市場の成長は予測が難しく、また、化学事業の競争環境も変化する可能性がある。しかし、オクシデンタルのこうした取り組みは、同社が単なる石油企業からエネルギー・環境分野の総合企業へと進化しようとしていることを示唆している。バフェットが長期的視点で投資を続ける理由も、この変化の可能性にあるのかもしれない。

Source:The Motley Fool