サムスンの新型タブレット「Galaxy Tab S10 FE」が、各種認証機関やベンチマークデータベースに登場し、スペックの詳細が明らかになった。Exynos 1580チップセットを搭載し、ミッドレンジ市場向けの高性能モデルとして位置づけられる可能性が高い。

Geekbenchのスコアでは、シングルコア約1,390、マルチコア約3,962と、従来モデルを上回る性能を示している。また、Wi-Fiモデルと5Gモデルの両方が存在し、幅広いニーズに応える設計となっている。

ソフトウェアは最新のAndroid 15を搭載し、メモリは約8GBと見られる。インド市場向けの認証も取得しており、グローバル展開が期待される。発売は2025年第2四半期が有力視されており、価格帯はGalaxy Tab S9 FEと同等と予測される。

Galaxy Tab S10 FEの性能はどこまで進化したのか

Galaxy Tab S10 FEは、サムスンのエントリーモデルながら高い処理性能を備えたタブレットとして注目される。搭載されるExynos 1580チップセットは、前世代のExynos 1480と比較してクロック速度や効率が向上しており、Geekbenchのスコアではシングルコア1,390、マルチコア3,962を記録している。

この数値は、一般的なミッドレンジのスマートフォンと同等か、それ以上の処理能力を持つことを示唆する。また、CPUは2.91GHzのプライムコアを含む8コア構成となっており、処理速度と省電力性を両立した設計が採用されている。加えて、Xclipse 540 GPUが搭載されていることから、グラフィック性能の向上も期待される。

特に、動画編集やゲームなどの用途において、前世代よりも快適なパフォーマンスを発揮する可能性がある。さらに、メモリは約8GBと見られ、タブレットとしては十分な容量を確保している。複数のアプリを同時に使用するマルチタスク環境においても安定した動作が可能となるだろう。

ストレージ容量については明言されていないが、近年のトレンドを考慮すれば128GB以上の基本モデルが提供される可能性がある。こうしたスペックを見る限り、Galaxy Tab S10 FEは単なるエントリーモデルではなく、コストパフォーマンスに優れたハイエントリークラスのタブレットとしての位置付けが強まるだろう。

Wi-Fiモデルと5Gモデルの選択肢がもたらす市場への影響

Galaxy Tab S10 FEには、Wi-Fi専用モデルと5G対応モデルの2種類が用意されることが明らかになった。Bluetooth SIGの認証リストでは、Wi-Fi専用モデルがSM-X520、5G対応モデルがSM-X528U、SM-X526Bなど複数の型番で登録されている。これは、異なる地域ごとに通信規格を最適化したバリエーションが提供される可能性を示している。

5G対応モデルの登場は、タブレット市場におけるモバイル通信の重要性が増していることを反映している。これまで、5G対応タブレットはハイエンドモデルが中心だったが、Galaxy Tab S10 FEのような手頃な価格帯のモデルにも5Gが搭載されることで、より多くのユーザーが高速通信の恩恵を受けられるようになるだろう。

特に、動画配信サービスの普及やクラウドゲームの発展により、安定した通信環境を求めるユーザーにとって、5Gモデルは有力な選択肢となる。一方で、Wi-Fiモデルの存在も見逃せない。自宅やオフィスなど固定回線の環境でタブレットを利用する層にとっては、Wi-Fi専用モデルがコストパフォーマンスに優れた選択肢となる。

また、企業向けの導入を想定した場合、Wi-Fiモデルの需要は一定数存在すると考えられる。サムスンがWi-Fiモデルと5Gモデルを並行展開することで、ユーザーのニーズに応じた柔軟な選択肢が提供される点は、今回のGalaxy Tab S10 FEの大きな強みとなるだろう。

2025年第2四半期の発売時期と価格設定の戦略

Galaxy Tab S10 FEの発売時期は、2025年第2四半期が有力視されている。このタイミングでの投入は、サムスンのタブレット市場戦略の一環と考えられる。通常、サムスンは上位モデルのGalaxy Tab Sシリーズを年初に発表し、ミッドレンジモデルを後に展開する傾向がある。

今回もその流れを踏襲し、Galaxy Tab S10 UltraやTab S10 Plusの登場後に、より手頃なモデルを市場投入する計画が想定される。価格については、前世代のGalaxy Tab S9 FEと同程度になると見られている。Galaxy Tab S9 FEのWi-Fiモデルは約6万円台、5Gモデルは約7万円台で展開されており、Tab S10 FEも同様の価格帯となる可能性が高い。

タブレット市場は競争が激化しており、特にAppleのiPadやXiaomiのタブレットと競合する中で、Galaxy Tab S10 FEの価格設定が成功の鍵を握ることになる。また、Galaxy A56 5Gと同時発売される可能性が指摘されており、これはサムスンの製品ラインナップの整理に関連する動きと考えられる。

Galaxy AシリーズとTab S FEシリーズを同時に展開することで、モバイルとタブレットの両市場で統一したブランド戦略を取る狙いがあるのかもしれない。こうした戦略が成功すれば、エントリークラスのタブレット市場での競争力を一層強化できるだろう。

Source:PhoneArena