Windows 11のスタートメニューが進化を遂げる。Microsoftは、「すべてのアプリ」ページのレイアウトを一新し、アプリやゲームをカテゴリごとに整理できる新機能を導入すると正式に発表した。新レイアウトには、名前順のグリッド表示と、アプリをカテゴリ別に分類する2つの新たな方式が採用される。

今回の変更により、従来のリスト形式からより直感的なデザインへと移行する。特に、iOSのアプリ管理スタイルに近い構成となり、視認性と利便性が向上する見込みだ。Microsoftはこの機能を数週間以内にWindows 11 23H2向けに提供開始するとし、Betaチャンネルではすでにテストが進行中である。

この新しいスタートメニューは、AIを活用してアプリを自動分類する可能性があるものの、ユーザーが独自のカテゴリを作成する機能は提供されない。さらに、2025年にはスタートメニューのさらなるアップグレードとして、通知やスマートフォンとの連携強化などの機能追加が予定されている。Microsoftの次の一手に注目が集まる。

スタートメニューの刷新がもたらすユーザー体験の変化

Windows 11の新しい「すべてのアプリ」レイアウトは、従来のリスト形式から、視認性と整理のしやすさを重視したデザインへと進化する。グリッド形式とカテゴリ別表示が追加され、ユーザーはアプリをより直感的に見つけやすくなる。特に、名前順のグリッド表示ではアプリアイコンが大きくなり、視覚的な識別が容易になる。

また、カテゴリ別表示では、同種のアプリがグループ化され、業務用と娯楽用のアプリを明確に分けて利用できる。この変化は、スマートフォンユーザーにとって馴染みやすいインターフェースを提供することにもつながる。

iOSやAndroidでは、アプリをフォルダに整理する習慣が定着しており、Microsoftの新たなアプローチは、このユーザーの行動パターンに適応するものといえる。ただし、ユーザーが独自にフォルダを作成できない点は、完全なカスタマイズ性を求める利用者にとって制約となる可能性がある。

一方で、スタートメニューの使い勝手が大きく変わることで、従来のリスト形式に慣れたユーザーには一定の学習コストが生じる。特に、頻繁に業務アプリを切り替える場面では、従来のリスト形式の方がスムーズに目的のアプリへアクセスできる場面もある。

今回のレイアウト変更が広く受け入れられるかどうかは、実際のユーザーのフィードバック次第であり、今後のアップデートでさらに微調整が加えられる可能性がある。

Microsoftの戦略と今後のWindows 11の方向性

今回のスタートメニュー刷新は、Microsoftの戦略的な意図を示している。それは、Windows 11のユーザーインターフェースをより統一感のあるものにし、モバイル体験とデスクトップ体験を融合させる試みだ。近年、WindowsはAndroidとの連携を強化しており、スマートフォンとPCをシームレスに使える環境を目指している。

新しいスタートメニューは、その一環としてモバイルデバイスのUIを意識した変更といえる。さらに、Microsoftはスタートメニューのレイアウト変更だけでなく、通知機能の拡充や、Androidスマートフォンとのファイル転送機能の強化を計画しているとされる。

特に、スタートメニューから直接スマートフォンにアクセスできる機能は、業務でスマホとPCを併用するユーザーにとって利便性を向上させる要素となるだろう。こうした変化は、Windowsを単なるデスクトップOSではなく、クラウドやモバイルと一体化したプラットフォームへと進化させる意図の表れである。

ただし、従来のWindowsのUIに慣れ親しんだユーザーにとって、急激な変更が必ずしも歓迎されるとは限らない。Windows 8のスタートメニュー廃止が多くの反発を招いたように、UIの大幅な刷新はユーザーの適応が鍵を握る。Microsoftは、新機能を導入する一方で、従来の使い勝手を維持する選択肢を残すことで、多様なユーザー層のニーズに対応する必要がある。

今後のリリースと市場の受け止め方

Microsoftは、新しいスタートメニューを数週間以内にWindows 11 23H2向けに提供すると発表している。Betaチャンネルではすでにテストが進行中であり、一般ユーザー向けの正式リリースは2025年内と見られる。さらに、Windows 11 24H2にもこの新レイアウトが適用される予定で、より多くのユーザーが新しいスタートメニューを体験することになる。

市場の受け止め方は、今回の変更が実際の使い勝手にどれほど影響を与えるかにかかっている。視覚的に整理されたスタートメニューは、多くのユーザーにとって歓迎される可能性があるが、直感的な操作感が向上するかどうかは未知数だ。また、アプリの自動分類機能がどの程度正確に動作するのかも重要なポイントとなる。誤分類が頻発すれば、逆に混乱を招く恐れもある。

さらに、Microsoftが今後のアップデートでユーザーのフィードバックをどのように反映するかも注目される。例えば、スタートメニューのカスタマイズ性を向上させるオプションが追加される可能性や、従来のリスト形式と新レイアウトを切り替えられる機能が提供されるかもしれない。

Windows 11は登場以来、UIの改良を重ねてきたが、今回のスタートメニューの変更がユーザーにとって最適な進化となるかは、今後の動向次第といえる。

Source：Windows Latest