Appleが開発中とされる折りたたみスマホ「iPhone Fold」は、既存の折りたたみスマホとは異なるアプローチを採る可能性がある。従来のブックスタイル型折りたたみスマホは外部ディスプレイが6.5インチ前後、内部ディスプレイが8インチ程度というのが主流だが、「iPhone Fold」はよりコンパクトなデザインになると噂されている。

外部ディスプレイは約5.49インチ、内部ディスプレイは7.74インチとされ、これはiPhone 13 miniとiPad miniを融合したようなサイズ感だ。ProMotionディスプレイやハイエンドカメラの採用も期待されており、単なる折りたたみスマホではなく、コンパクトな高性能デバイスとしての位置づけになる可能性がある。Appleがこの市場に参入することで、折りたたみスマホ市場の勢力図が変わるかもしれない。

Appleが目指す折りたたみスマホの新たな形とは

従来の折りたたみスマホ市場では、SamsungのGalaxy Z FoldシリーズやGoogleのPixel Foldなど、大画面タブレットとしての活用を意識したモデルが主流となっている。しかし、Appleは「iPhone Fold」において、よりコンパクトなアプローチを取る可能性がある。報道によると、このデバイスの外部ディスプレイは5.49インチとされ、一般的なスマートフォンサイズに近い。一方で、開いたときのディスプレイサイズは7.74インチとなり、これはiPad miniのコンパクトさを意識したサイズ感といえる。

この設計が意味するのは、Appleが折りたたみスマホを単なる大画面デバイスではなく、持ち運びやすさと機能性のバランスを重視しているということだ。従来の折りたたみスマホは、開けばタブレット並みのサイズ感になるものの、閉じた状態では厚みがあり、携帯性に課題があった。一方で、「iPhone Fold」はiPhone 13 miniのようなコンパクトなデザインを維持しながら、必要に応じてiPad miniのような画面サイズを確保できる可能性がある。この新たなフォームファクターが、Appleの折りたたみスマホ市場参入の差別化ポイントになるかもしれない。

また、AppleがこのデバイスにProMotionディスプレイやハイエンドカメラを搭載することで、従来のiPhone miniシリーズとは異なる「プレミアムな小型折りたたみデバイス」という位置付けになる可能性も考えられる。これは、コンパクトなデバイスを求めるユーザーにとって、新たな選択肢となるかもしれない。

なぜAppleは折りたたみスマホ市場に慎重なのか

Appleはこれまで、折りたたみスマホ市場に積極的に参入してこなかった。一方で、SamsungやGoogle、Oppoなどのメーカーはすでに複数の折りたたみモデルを展開しており、市場の競争は激化している。これに対して、Appleは長期間にわたり折りたたみ技術の開発を進めながらも、市場投入のタイミングを慎重に見極めているように見える。

Appleが折りたたみスマホ市場に慎重な理由の一つは、耐久性の問題があると考えられる。折りたたみディスプレイは従来のガラスパネルに比べて耐久性が低く、ヒンジ部分の摩耗や折り目の劣化などが課題とされている。特に、Appleは製品の品質基準が厳しいことで知られており、折りたたみスマホの信頼性が確立されるまでは市場投入を見送っていた可能性がある。

もう一つの理由として、Appleは「必要性」を重視する傾向がある点も考えられる。現時点で、折りたたみスマホの市場シェアは全スマートフォン市場のごく一部に過ぎず、一般的なユーザーにとって折りたたみデザインが必須の機能とはなっていない。そのため、Appleは単に市場のトレンドに追随するのではなく、折りたたみ技術をどのように活用すれば「次世代のユーザー体験」を提供できるのかを模索している可能性がある。

ただし、近年の報道ではAppleが折りたたみ技術を本格的に採用する準備を進めているという情報も出てきており、「iPhone Fold」が将来的に登場する可能性は十分にある。もしAppleが本格的に折りたたみ市場へ参入するならば、単なるトレンドの追随ではなく、独自のアプローチを採った製品になることが期待される。

iPhone Foldは新たな「ミニシリーズ」としての位置付けか

Appleはこれまで、iPhone miniシリーズを展開していたが、近年はラインナップから外れている。iPhone 12 miniやiPhone 13 miniはコンパクトなサイズ感と高い性能で一定の支持を集めたものの、大画面スマホの需要が高まる中で販売数が伸び悩み、後継機の登場は実現しなかった。しかし、「iPhone Fold」は、そんなミニシリーズの新たな形としての役割を担う可能性がある。

このデバイスの特徴として、外部ディスプレイのサイズが5.49インチと、従来のiPhone miniシリーズに近いサイズ感である点が挙げられる。さらに、開いたときには7.74インチのディスプレイを備え、iPad miniのような使用感を提供できるとされている。この2つの特性を兼ね備えることで、ミニシリーズのコンパクトな携帯性と、iPad miniの大画面の利便性を両立させる可能性がある。

また、iPhone miniシリーズは小型ながらも性能を犠牲にしない点が特徴だったが、「iPhone Fold」も同様にハイエンド仕様を採用する可能性が高い。特に、リフレッシュレート120HzのProMotionディスプレイや、高性能カメラの搭載が期待されている。これにより、従来のiPhone miniシリーズよりもさらに完成度の高いプレミアムなコンパクトデバイスとして位置付けられるかもしれない。

もしAppleが「iPhone Fold」を発表すれば、従来の折りたたみスマホとは一線を画した「ミニ+折りたたみ」という新たなカテゴリを築くことになる。このデザインが成功すれば、従来のiPhone miniの愛用者だけでなく、コンパクトで高性能なデバイスを求める新たな層のユーザーにとっても魅力的な選択肢となるだろう。

Source:NotebookCheck.net