ASUS ROG Astral RTX 5090のグラフィックスカードが発火したとの報告がReddit上で話題となっている。報告者によると、ゲームプレイ後にシステムを再起動した際にGPUから煙が発生し、物理的な損傷が確認されたという。
この事例はRTX 50シリーズに関する過去の電源コネクタ溶解問題とは異なるものの、ハードウェアの信頼性に関する新たな懸念を生んでいる。現時点では同様の事例は報告されていないが、メーカーの対応が注目される。
発火の原因はコンデンサの異常か 証拠が示す可能性

今回の発火事故で注目すべき点は、RTX 5090の電源コネクタやケーブルには損傷が見られなかったという事実である。過去のRTX 40シリーズでは16ピン電源コネクタの溶解問題が話題となったが、今回のケースでは異なる要因が考えられる。報告者が投稿した画像から、GPUとマザーボードに焦げ跡が確認されており、特にGPUの内部コンポーネントに異常が発生した可能性が指摘されている。
特にGPUに搭載されるコンデンサは、高負荷時の電圧変動を抑える役割を持つが、劣化や不良が原因で異常動作を引き起こすことがある。報告者は、発火前にPCを再起動しており、そのタイミングで電力供給の変動が発生したことが関係している可能性もある。さらに、発火がゲームプレイ中ではなく、軽負荷時のWeb閲覧中に起こった点も異例であり、コンデンサの不具合や設計上の問題が潜んでいる可能性を示唆している。
現時点では、ASUSやNvidiaからこの事例に関する公式な声明は出ていないが、ユーザー間では製品の品質管理に対する懸念が高まっている。特に新世代GPUでは高性能化に伴い発熱量も増加しており、冷却設計やコンポーネントの耐久性がこれまで以上に重要視される。今後、同様の事例が報告されるかどうかが、問題の深刻度を測る鍵となるだろう。
RTX 5090の信頼性は大丈夫か ユーザーの不安とメーカーの対応
RTX 5090は次世代のフラッグシップGPUとして大きな注目を集めているが、今回の発火事故によってその信頼性に疑問を抱くユーザーも少なくない。RTX 50シリーズのローンチ後、すでに電源コネクタの問題やブラックスクリーンの不具合などが報告されており、今回の事例がさらに不安を煽る要因となっている。ハードウェアの安定性を求めるユーザーにとって、こうした問題は購入をためらう理由にもなり得る。
また、ASUSがこの問題にどのように対応するかも注目されている。メーカーはこれまでにもハードウェアの欠陥が指摘された際、リコールや交換対応を行ってきたが、今回の件に関してはまだ公式な調査が進んでいない。一般的に、単発の不具合であれば個別対応にとどまることが多いが、もし複数のユーザーから同様の報告が相次げば、ASUSやNvidiaとしても何らかの対応を迫られる可能性がある。
GPU市場では、高価格帯の製品ほど信頼性が重視される傾向が強い。特にRTX 5090のようなハイエンドモデルは、ゲーミング用途だけでなくクリエイターや開発者などのプロフェッショナルにも使用されるため、安定性への要求はさらに高い。今回の発火事故が単なる偶発的な事例なのか、それとも製品設計の問題なのか、今後の報告やメーカーの対応によって明らかになっていくだろう。
Source:OC3D