Nvidiaは最新のBlackwell GPUにおけるブラックスクリーンやブルースクリーン(BSOD)発生の問題について、現在も詳細な調査を進めていることを明らかにした。しかし、具体的な解決策や修正の時期については未だに示されておらず、ユーザーの間では不満の声が高まっている。

この問題は、特にRTX 5070やRTX 5090などのBlackwell世代のGPUで発生しているとされる。RTX 5070のローンチと同時に公開された最新のドライバーバージョン「GeForce 572.47」での修正が期待されていたが、実際には問題の解決には至らなかった。Nvidiaの公式フォーラムでは、多くのユーザーがこの不具合の発生状況を報告しており、Nvidiaの担当者であるManuel氏も社内での再現に成功したことを認めている。

加えて、Nvidiaはドライバーの更新のみで修正可能なのか、VBIOSのアップデートが必要になるのかについても、まだ確定していないと述べている。もしドライバーの更新で済むならば比較的容易な対応で済むが、VBIOSのアップデートが必要な場合、ユーザー側の負担が大きくなる可能性がある。

Nvidiaの対応は後手に回る 修正の具体的な道筋は未定

NvidiaはBlackwell GPUのブラックスクリーン問題を認識しているものの、現時点で具体的な修正のロードマップは示されていない。最初にこの問題が報告されてから約2週間が経過しているが、公式フォーラムでの発表によると、調査はまだ継続中の段階である。NvidiaのManuel氏が「社内で問題を再現することには成功した」と認めていることから、根本的な原因の特定が進んでいる可能性はある。しかし、ドライバーの更新だけで修正できるのか、あるいはVBIOSの更新が必要になるのかについては、依然として明確な回答が示されていない。

仮にVBIOSの更新が必要となれば、ユーザー側での手間が大幅に増えることになる。ドライバーの更新であれば通常のソフトウェアアップデートと同じ手順で完了するが、VBIOSの更新は慎重に行わなければならず、失敗するとGPUが起動しなくなるリスクもある。そのため、多くのユーザーができるだけ簡単な方法での修正を望んでいるのは明白だ。しかし、Nvidiaがどのような対処方法を選択するのか、公式発表を待たなければならない状況が続いている。

さらに、Blackwell世代のGPUでは、ブラックスクリーン問題だけでなく、ROP(レンダリング・アウトプット・パイプライン)の欠損や、16ピン電源のトラブルといった問題も報告されている。これらの問題が複合的に絡み合い、Blackwellシリーズの評価を著しく低下させている。Nvidiaがこれらすべての問題に対してどのように対応するのか、今後の動きが注目される。

RTX 50シリーズの供給不足と品質問題 信頼回復の鍵はどこにあるのか

NvidiaのRTX 50シリーズは、ローンチ直後から供給不足が続いており、入手が困難な状況が続いている。特にハイエンドモデルのRTX 5090は品薄状態が続き、多くのユーザーが購入を待たされている。加えて、RTX 5070 TiではROPの欠損が指摘されるなど、製品の品質に対する不安が広がっている。これらの問題が相まって、Blackwellシリーズ全体の信頼性が揺らいでいる。

また、Nvidiaは近年、電源コネクタの設計に関する問題にも直面している。RTX 40シリーズの時点で16ピン電源のトラブルが報告されており、高負荷時に発熱や溶解のリスクが指摘されていた。しかし、RTX 50シリーズになっても根本的な設計変更は行われておらず、依然として不安が残る状態が続いている。このような技術的な課題が重なることで、Nvidiaの製品に対する信頼は低下しつつある。

Nvidiaはこれまで、新しい世代のGPUを投入するたびにパフォーマンスの向上を強調してきたが、今回のRTX 50シリーズでは安定性の問題が目立つ。Blackwell GPUのブラックスクリーン問題が解決されないまま供給不足が続けば、Nvidiaの市場での評価にも影響を与える可能性がある。ユーザーが求めているのは、単なる性能向上ではなく、信頼性の高い製品だ。Nvidiaがこれらの問題をどのように解決し、ユーザーの信頼を回復できるのかが、今後の重要なポイントとなる。

Source:OC3D