Nvidia(NASDAQ: NVDA)は2025年の年明けから不安定な展開が続いている。2月26日に予定される第4四半期決算を前に、株価は150ドルの壁を突破できるのか、それとも大きく下落するのか、市場の注目が集まっている。

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現在、NVDAは130ドル以上で一定のサポートを確保しているものの、135~145ドルの価格帯で強い抵抗に直面しており、売り圧力が続いている。DeepSeekによる影響や貿易関税の不確実性も、投資家心理を不安定にさせる要因となっている。

アナリストの間では、好決算であれば170ドルへの上昇が視野に入るものの、期待を下回れば100ドルを割り込む可能性があるとの見方が強まっている。市場の大きな転換点となるこの決算発表が、NVDAの今後の方向性を決定づけることになる。

NVDAの株価が直面する強い売り圧と抵抗線の攻防

Nvidia(NASDAQ: NVDA)の株価は、2月26日に予定される第4四半期決算を控え、重要な局面にある。特に、135ドルから145ドルの価格帯に形成された強い抵抗が、株価の上昇を阻んでいる。TrendSpiderのアナリストによれば、過去数か月間、このレンジを突破しようとする試みは何度もあったが、そのたびに売り圧力に押し戻されている。

この売り圧力の背景には、DeepSeekの影響や市場のセンチメントがある。DeepSeekショックからの回復は見られるものの、貿易関税の不確実性が依然として投資家の慎重な姿勢を生んでいる。また、最近の取引ではNVDAの株価が134.43ドルで取引を終え、1日で4%以上、年初来で3%近く下落するなど、市場の神経質な動きが目立つ。

こうした状況から、NVDAの株価が150ドルを超えるには、決算発表による大きなポジティブな要因が必要となる。一方で、135ドルから145ドルの抵抗帯を突破できない場合、利益確定売りが加速し、株価の下落リスクが高まる。市場はこの攻防の行方を見極めようとしており、決算発表後の動きが今後のトレンドを決定づける可能性がある。

第4四半期決算がもたらす株価の変動要因とは

Nvidiaの第4四半期決算は、単なる業績発表ではなく、株価の大きな転換点となる可能性がある。売上高は前年比73%増加し、EPS(1株当たり利益)は0.82ドルに達すると予想されている。特に、Amazonなどの大手テクノロジー企業が3,200億ドルをクラウド投資に充てることで、NvidiaのAI市場での競争優位性は維持されると見られる。

しかし、供給制約というリスクも存在する。Nvidiaのチップ需要は依然として高いものの、生産体制の限界が成長の抑制要因となる可能性が指摘されている。また、DeepSeekのような企業が低コストのNvidiaチップを活用することで、ハイパースケーラーの支出動向が変化する可能性もある。こうした市場の変化が、長期的な成長見通しを左右する要素となる。

一方で、ウォール街のアナリストは依然として楽観的な見方を示している。バンク・オブ・アメリカのヴィヴェク・アリヤ氏は、Nvidiaを2025年の最有力銘柄として推奨し、目標株価を190ドルに設定。ジェフリーズのブレイン・カーティス氏も、供給問題の懸念は過大評価されていると指摘し、目標株価185ドルを維持している。こうした見解の違いが、決算発表後の市場の反応を一層複雑なものにしている。

NVDAの未来を左右する決算後の展開と市場の判断

決算発表後、Nvidiaの株価は市場の期待に応じて大きく動く可能性がある。好決算で市場がポジティブに反応すれば、140ドルや142ドルの抵抗線を突破し、170ドルを目指す展開も視野に入る。一方で、決算が市場の期待を下回った場合、100ドルを割り込むリスクが浮上する。

ピーター・ディカルロ氏は、「予想通り140ドルまで反発したが、これから相場が崩れる可能性がある」と警鐘を鳴らしている。特に、買い圧力が弱まり続けている点を懸念しており、110ドルから112ドルへの下落を想定する声もある。ウォール街の強気な見方とは裏腹に、市場は慎重な姿勢を崩していない。

また、市場戦略家ロイ・マトックス氏は、今回の決算発表を「重大なリスクイベント」と位置付け、「新たな上昇トレンドを生み出すか、さらなる下落を招くかの分岐点」と指摘している。投資家にとっては、単なる業績発表以上の意味を持つ今回の決算が、NVDAの将来を決定づけることになる。市場はその行方を注視しており、決算後の展開が株価の方向性を決めることは間違いない。

Source:Watcher GuruFinbold