Nvidiaの次世代GPU「RTX 5070」のリークベンチマークが明らかになり、前世代のRTX 4070と比較して最大20%の性能向上を示唆している。3月5日の発売を控え、その性能がどの程度のものか関心が高まる中、Vulkanベンチマークでは187,414ポイントを記録し、RTX 4070の156,601ポイントを大きく上回った。
一方で、NvidiaがCES 2025で発表した「RTX 5070はRTX 4090と同等の性能を持つ」との主張とは矛盾が生じている。実際の性能は、フレーム生成技術「DLSS 4 Multi Frame Generation(MFG)」の効果を含めても、RTX 4090に匹敵するレベルには達していない可能性が高い。
在庫不足の懸念は少なく、価格も安定すると見られるため、特にRTX 3000シリーズのユーザーにとっては魅力的なアップグレード選択肢となるだろう。しかし、既にRTX 4000シリーズを使用している場合、DLSS 4の恩恵を考慮すると、即座の買い替えは慎重に判断すべきだ。
RTX 5070のリークベンチマークが示す実力とは

RTX 5070のリークベンチマーク結果が公開され、RTX 4070と比較して最大20%の性能向上が見込まれることが明らかになった。特にVulkanベンチマークでは187,414ポイントを記録し、RTX 4070の156,601ポイントを大きく上回る結果となった。これは、AAAゲームなどで使用される主要なグラフィックスAPIでの評価であり、実際のゲーム環境でもこの傾向が続く可能性がある。
一方で、NvidiaがCES 2025で発表した「RTX 5070はRTX 4090と同等の性能を持つ」との主張には疑問が残る。現時点で判明している数値を踏まえると、RTX 5070がRTX 4090に匹敵するというのは誇張である可能性が高い。過去のモデルと比較しても、ミドルレンジGPUがフラッグシップモデルに追いつくことは珍しく、RTX 5070がRTX 4090の性能を超えることは現実的ではない。
また、RTX 5000シリーズのラインナップがほぼ完成しつつある中、RTX 5070はミドルレンジ市場の中心的存在となることが期待されている。特に、AMDのRadeon RX 9000シリーズが控えていることから、競争環境も激化しつつある。価格や消費電力、最適化の度合いによって、今後の市場での評価が大きく左右されることになるだろう。
DLSS 4とMFGの進化がゲーム体験に与える影響
RTX 5070には、Nvidiaの最新技術であるDLSS 4(Deep Learning Super Sampling 4)が搭載され、特に「Multi Frame Generation(MFG)」が強化されている。これは、AIを活用したフレーム生成技術であり、ゲームのフレームレートを向上させながら滑らかな映像を実現する。従来のDLSS 3と比較して、ゴースティング(残像)や入力遅延の改善が進んでおり、より自然な映像表現が可能になっている。
この技術は、高解像度かつ高リフレッシュレートを求めるゲーマーにとって魅力的な要素となる。ただし、一部のユーザーからは「フェイクフレーム」とも呼ばれ、人工的な補完が多すぎると映像の自然さが損なわれる可能性が指摘されている。特に、反応速度が求められるeスポーツタイトルでは、MFGの影響を受けやすく、プレイヤーの好みによって評価が分かれるだろう。
DLSS 4はRTX 5000シリーズだけでなく、一部のRTX 4000シリーズにも対応しているため、現行のGPUユーザーは急いでアップグレードする必要はないかもしれない。特にRTX 4070やRTX 4080を使用している場合、DLSS 4の恩恵を受けつつ、今後の価格動向を見極めるのが賢明だろう。一方で、RTX 3000シリーズ以前のモデルを使用している場合、DLSS 4の進化を考慮するとRTX 5070への買い替えは十分に検討する価値がある。
供給問題の影響は限定的か 価格動向に注目
RTX 5070は、既に発売されているブラックウェル世代のGPUとは異なり、大規模な供給不足には直面しない可能性が高いと報じられている。RTX 4080やRTX 4090では供給不足による価格高騰が発生し、一部の地域ではMSRP(メーカー希望小売価格)を大幅に上回る事態が続いた。しかし、RTX 5070については、比較的安定した供給が見込まれているため、価格が極端に高騰する可能性は低いとみられる。
ただし、発売直後は需要が集中するため、在庫状況によっては一時的な価格上昇が起こる可能性はある。特に、競合するAMD Radeon RX 9000シリーズの発表時期や性能次第では、市場の動向が変わる可能性もあるため、購入タイミングには注意が必要だ。過去の傾向を踏まえると、初回出荷分が完売した後、一定期間待つことで価格が安定する可能性が高い。
価格に関しては、MSRPの発表が鍵を握るが、これまでのリーク情報によると、RTX 5070は比較的手頃な価格帯に設定されるとみられている。RTX 3000シリーズを使用しているユーザーにとっては、価格と性能のバランスを考えた上で、RTX 5070が適切な選択肢となるかどうかを見極めることが重要になるだろう。
Source:TechRadar