iPhone 17シリーズでは、動画撮影機能が大幅に強化される可能性があると報じられている。Appleに関する情報を発信するMark Gurman氏(Bloomberg)は、特にProモデルにおいてVlog撮影をはじめとするクリエイター向け機能が大きく進化することを示唆している。

すでにiPhoneは映画制作にも活用されるほどの高品質な動画撮影が可能だが、Appleはさらなる進化を目指し、モバイル機器市場における動画撮影の標準を塗り替えようとしている。Appleはこれまで、ProRes録画やLogカラープロファイルの搭載など、映像制作向けの高度な機能を提供してきた。

特にiPhone 16 Proでは、プロフェッショナル向けの映像制作機材と肩を並べるレベルに達している。しかし、動画撮影機能を強化することで、Vlog撮影のためにカメラを持ち歩く必要がなくなり、より多くのクリエイターがiPhoneをメインの撮影機材として採用する可能性がある。

こうした流れは、Samsungの最新スマートフォンがLogカラー機能を搭載するなど、他社の動向にも影響を及ぼしている。では、Appleはどのような機能を追加すれば、より多くのクリエイターに支持されるのか。Bluetoothマイクとのシームレスな連携や、Log映像の簡単な編集機能の強化などが求められている。

これらの改良が実現すれば、iPhone 17はプロの映像制作環境を変える可能性を秘めている。Appleがどのようなアップデートを発表するのか、今後の動向に注目が集まる。

iPhone 17が狙う映像制作市場の変革 Appleの戦略とは

Appleはこれまでも動画撮影機能の強化を進めてきたが、iPhone 17ではさらに踏み込んだアップデートが予想される。特に、クリエイター向け機能の充実により、ミラーレスカメラを必要とせずに高品質な映像を制作できる環境を整える狙いがあると考えられる。

これまでのiPhoneシリーズでは、ProRes録画、Logカラープロファイルなどが導入され、すでに映像制作業界でも一定の評価を得ている。しかし、Appleはこれに留まらず、さらなる進化を目指している。近年、動画制作のスタイルは変化しつつある。

かつては高価な撮影機材が必須だったが、スマートフォンの進化により、多くのクリエイターがコンパクトな機材での撮影を選択するようになった。特にVlogや短尺動画の普及により、機動性と即時性が求められるなか、AppleはiPhoneを“オールインワンの撮影機材”として位置づけ、クリエイターのワークフローを変革しようとしている。

そのため、AppleがiPhone 17でどのような具体的な改良を施すのか、業界全体が注目している。

Bluetoothマイクの完全対応と音声品質の向上が鍵に

動画のクオリティを左右する要素の一つが音声である。どれほど映像が美しくても、音質が悪ければ視聴者の満足度は大きく下がる。現在、iPhoneの内蔵マイクは優れた性能を持つものの、外部マイクとの連携には制限があり、特にBluetoothマイクの使用は制約が多い。

例えば、DJI Mic 2をiPhoneに接続することは可能だが、標準のカメラアプリでは利用できず、専用のアプリを使う必要がある。この不便さが、クリエイターにとって大きな障壁となっている。AppleはAirPods Pro 2を活用した音声収録を推奨する可能性があるが、これは万能な解決策とは言えない。

多くのクリエイターはイヤフォンを装着せずに、ラベリアマイクやワイヤレスマイクを使用するため、iPhoneのカメラアプリでBluetoothマイクを直接認識し、設定なしで利用できる環境が求められる。

もしiPhone 17でこの課題が解決されれば、スマートフォンだけでプロフェッショナルな映像制作が可能となり、Vlogやライブ配信の分野でも大きな変化をもたらすことになるだろう。

ポストプロダクションの手間を省くLog映像の進化

Logカラープロファイルは、映像制作において重要な要素となっている。Log形式で撮影された映像は、後処理で細かな色調整ができる反面、編集作業に時間がかかるというデメリットがある。現在、iPhoneのLog撮影機能はDaVinci ResolveやAdobe Premiereなどの外部ソフトウェアでの編集を前提としているが、Appleが目指すのは「iPhoneだけで完結する映像制作環境」の構築である。

もしiPhone 17にプリセットのカラーグレーディング機能が追加されれば、クリエイターは高度な編集知識がなくとも、即座に映画のような映像を作成できる。さらに、Appleが提供するFinal Cut Proとの連携が強化される可能性もあり、iPhoneで撮影した映像をスムーズにMacへ転送し、高度な編集作業を行うワークフローが確立されるかもしれない。

このような進化が実現すれば、iPhone 17は動画制作のハードルを大幅に下げ、新たなクリエイター層を取り込むことができるだろう。

Source:CNET