Super Micro Computer株は、2024年2月25日を前に、規制当局への提出期限と主要AIサーバー契約獲得への期待から、株価が急騰する中でRSIが80を超える買いシグナルを点灯し、過去の事例が示す通り高騰傾向が確認されている。

同社は、液冷AIサーバー技術の先駆者として、8U AI NVIDIA H100液冷クラスターの発表や生産能力拡大により、月間製造5,000ラックの内2,000ラックに先進液冷技術を実装し、市場シェア拡大を目指すと同時に、利益率低下にも留意する必要がある。

加えて、2024会計年度第4四半期に前年比143%増の53億ドルの売上を達成し、2025年度は年間売上235~250億ドル、さらに新設データセンターの25~30%が同社のソリューションを採用すると予測されるなど、具体的数値に裏打ちされた成長戦略が今後の動向を注視させる要因となっている。

RSI80超えの「買われ過ぎ」シグナルと過去の株価推移

Super Micro Computer(SMCI)の株価は、2024年2月に急上昇し、RSI(相対力指数)が80を超える水準に達した。一般的に、この指標が80以上になると「買われ過ぎ」と見なされ、調整が入る可能性が指摘される。しかし、同社の過去のデータを分析すると、RSI80超えの後も株価が上昇を続けた事例がある。

特に2024年1月にはRSIが80を突破したが、その後の17取引日で株価は119.5%の上昇を記録した。この傾向を踏まえると、短期的な調整が入る可能性を示唆しつつも、中長期的にはさらなる上昇の余地があるとも考えられる。加えて、テクニカル指標だけではなく、同社の事業成長や市場環境が株価の推移を左右する要因となるため、単なる過熱感だけで投資判断を下すのは早計である。

さらに、AIインフラ市場の成長と同社のポジショニングが、投資家の強気な姿勢を後押ししている。RSI80超えが「売り」のシグナルとなるのか、それとも買いの勢いが続くのかは、2月25日を前後する市場の反応が重要なカギを握るだろう。

AIサーバー市場での競争優位性と液冷技術の影響

Super Microは、AIサーバー市場における主要プレイヤーの一角を占めており、特に液冷技術の分野で先駆的な立場を確立している。同社が発表した「8U AI NVIDIA H100液冷クラスター」は、大規模データセンターの冷却効率を向上させる技術として注目を集めている。これにより、電力消費を抑えつつ、高性能なAI処理が可能となり、競争力を一層強化する要因となる。

市場の需要が拡大する中、Super Microは生産能力を大幅に拡張し、現在では月間5,000ラックの製造能力を持つ。そのうち2,000ラックは高度な液冷技術を採用しており、データセンター市場のトレンドに適応した製品ラインナップを展開している。しかし、この急速な成長が利益率の低下を招いている点も無視できない。2024年第4四半期の非GAAPベースの粗利益率は11.3%と、前四半期の15.6%から低下した。

これは、新技術の導入コストや顧客構成の変化が影響していると考えられるが、長期的にはコスト削減と技術革新が収益性の改善につながる可能性がある。同社の戦略が、成長と利益のバランスをどのように維持していくのかが、今後の投資判断において重要なポイントとなるだろう。

2025年度の売上予測と投資家の評価

Super Microの2025会計年度の売上予測は235億~250億ドルとされ、2024年度の149.4億ドルから大幅な成長が見込まれている。AIコンピューティングブームが続く中で、同社の事業拡大は市場の需要に対応したものといえる。しかし、急成長する企業においては、利益率や財務の健全性が常に問われる。

アナリストの評価は分かれており、13人のカバレッジのうち「強い買い」2人、「買い」2人、「ホールド」7人、「強い売り」2人という内訳となっている。これを踏まえると、同社株に対する市場の見方は必ずしも一方向ではなく、リスク要因を考慮した慎重な姿勢も見られる。特に、利益率の動向やAI市場の競争環境が、今後の株価に影響を与える可能性がある。

また、Super Microの株価は短期間で急騰しているため、バリュエーション面での過熱感を指摘する声もある。一方で、AIデータセンターの成長が続く限り、同社の市場シェア拡大が業績を押し上げる要因となることは確かだ。今後は、売上成長の持続性と収益構造の最適化が、株価のさらなる上昇を支える鍵となるだろう。

Source: Barchart.com