元OpenAIのCTOを務めたミラ・ムラティ氏が設立したAIスタートアップ「Thinking Machines Lab」が、評価額90億ドル(約1兆3500億円)に達し、10億ドル(約1500億円)の資金調達を進めていると報じられた。Business Insiderによると、この取引が成立すれば、OpenAI出身者が手がけるAIスタートアップによる大規模な資金調達の最新事例となる。

同社は今月ステルスモードを終え正式に公表され、元OpenAIの研究者を中心に約20名が参加。MetaやMistral AIの元社員も加わっているという。公式サイトでは、より柔軟で適応性の高いオープンソースAIの開発を掲げており、汎用性の高いAIシステムの構築を目指す方針だ。

AI業界では、AnthropicやxAIなどOpenAIと関連の深い企業が続々と巨額の投資を受けており、今回のThinking Machines Labの資金調達が成功すれば、この流れに新たな事例が加わることになる。特に初期段階のAIスタートアップがユニコーン化する事例が増えており、AI市場の資本流入が加速していることがうかがえる。


Thinking Machines Labの急成長とAIスタートアップの資金流入

Thinking Machines Labは、元OpenAIのCTOであるミラ・ムラティ氏が設立したAIスタートアップである。同社は今月、ステルスモードを終了し正式に公表された。報道によれば、現在の評価額は90億ドル(約1兆3500億円)に達し、10億ドル(約1500億円)の資金調達を目指している。このラウンドが成立すれば、初期段階のAIスタートアップとして異例の規模となる。

近年、AIスタートアップへの資金流入は加速しており、特にOpenAIと関係のある企業が巨額の投資を受けている。Anthropicは評価額615億ドル(約9兆円)で35億ドル(約5250億円)を調達予定であり、xAIは評価額750億ドル(約11兆2500億円)で100億ドル(約1.5兆円)の資金を交渉中である。このような動向からも、AI市場における投資家の関心の高さがうかがえる。

一方で、初期段階の企業がユニコーン企業となる事例も増加している。特にAI分野では、革新的な技術を持つ企業が短期間で高額の評価を受けるケースが目立つ。Thinking Machines Labの今回の資金調達が成功すれば、この傾向をさらに強調する結果となるだろう。

ミラ・ムラティ氏の経歴とThinking Machines Labの強み

ミラ・ムラティ氏はOpenAIに6年以上在籍し、同社の技術戦略を主導した経歴を持つ。2023年には暫定CEOを務めるも、数カ月後に退任。その後、Thinking Machines Labを設立し、元OpenAIの研究者約20名を採用したと報じられている。さらに、MetaやMistral AIの元社員も同社に加わっており、高度な技術力を持つチームが形成されている。

Thinking Machines Labの強みは、その技術的な専門性とオープンソースAIに対する独自のアプローチにある。同社の公式サイトによれば、現在のAIシステムはプログラミングや数学などの分野では優れた性能を発揮するものの、人間の幅広い知識やスキルに適応する能力には限界があると指摘する。そのため、同社はより柔軟でパーソナライズされたAIシステムの開発を目指している。

競争の激しいAI市場において、OpenAIの元研究者たちが新たなアプローチを試みることで、技術の多様化が進む可能性がある。特にオープンソースという方針が、既存のクローズドなAI企業とは異なる競争力を持つ要因となるかもしれない。

AIスタートアップ市場の今後とThinking Machines Labの展望

AI業界は今、急速な進化を遂げており、投資額の規模もかつてないほど大きくなっている。AnthropicやxAIのような企業が数十億ドル規模の資金調達を進める中で、Thinking Machines Labの今後の成長も注目される。特に、同社が掲げるオープンソースAIの開発が市場にどのような影響を与えるのかが鍵となる。

現状では、AI開発の主流は大規模言語モデルの改良と商業化に向かっているが、Thinking Machines Labのアプローチはそれとは異なる可能性がある。汎用性の高いAIシステムを構築するという同社のビジョンが実現すれば、AIの活用範囲がさらに広がることが期待される。

一方で、急成長するAI企業には規制や倫理面での課題もつきまとう。AIの透明性や安全性を担保しながら、技術革新を進めることが求められる。Thinking Machines Labがその点をどのように克服し、業界内でのポジションを確立するのかが今後の焦点となる。

Source:Crunchbase News