Microsoftは、Windows 11 24H2向けのオプションアップデート「KB5052093」を配信開始した。本アップデートでは、カメラ機能の拡充やエクスプローラーの改善が施される一方で、「Game Pass」のバナー広告が設定画面に導入され、ユーザーの間で議論を呼んでいる。

新機能として、複数のアプリで同時にカメラを使用できる設定が追加されたほか、タスクバーのジャンプリストからのファイル共有が可能となるなどの利便性向上が図られた。また、スリープ解除時の音量最大化バグや、HDDがSSDとして誤認される不具合も修正されている。

一方で、Game Passの広告がシステム設定に組み込まれた点に対し、ユーザーの意見は分かれている。Microsoftは、段階的な展開を行っているが、広告の強制表示が今後のアップデートでどのように拡大するのか注目される。

Windows 11 24H2の新機能と改善点 カメラ・タスクバー・エクスプローラーの進化

Windows 11 24H2のオプションアップデート「KB5052093」では、複数のアプリで同時にカメラを利用できる機能が追加された。従来は1つのアプリがカメラを使用中の場合、他のアプリでは利用できなかったが、「詳細カメラオプション」に新たに追加された設定を有効にすることで、この制限が解除される。

また、トラブルシューティングを容易にする「基本カメラモード」も導入され、カメラの動作に問題が発生した際に安定した使用が可能となる。タスクバーにも利便性の向上が見られる。特に、アプリのジャンプリストから直接ファイルを共有できるようになった点は、業務の効率化に貢献すると考えられる。

さらに、エクスプローラーの検索機能やフォルダ内メディアファイルの表示パフォーマンスも向上し、大量のクラウドファイルを扱う際の操作性が改善された。加えて、「バックアップ開始」のリマインダーがアドレスバーから直接スヌーズまたは無効化できる仕様に変更され、不要な通知を削減できるようになった。

これにより、バックアップの重要性を維持しつつ、作業の邪魔にならない柔軟な管理が可能となる。今回のアップデートは、細かなユーザー体験の向上を意識した改善が多く含まれている。

Game Passの広告表示の狙いとユーザーの反応

今回のアップデートでは、Windows 11のシステム設定に「Game Pass Ultimate」と「PC Game Pass」の広告が導入された。これはMicrosoftアカウントでGame Passを利用しているユーザーに限定されるが、将来的にはより広範囲なユーザーに展開される可能性も考えられる。現時点では、広告の表示頻度や範囲についての詳細は明かされておらず、ユーザーごとに異なる表示状況となっている。

Microsoftはサブスクリプションサービスの拡大を積極的に進めており、Windows 11のOS内に広告を組み込むことでGame Passの認知度向上を図っていると見られる。しかし、システム設定のようなOSの根幹部分に広告を追加する手法は賛否が分かれる。特に、企業利用のPCにおいては不要な広告表示が業務の妨げになりかねず、批判の声も少なくない。

一方で、Game Passはコストパフォーマンスの高いサービスとして評価されており、今回の施策によって新たなユーザー層を獲得する可能性もある。ただし、ユーザーが求めるのはシームレスなOS体験であり、今後の展開次第では広告の受け入れに関する議論が加速することが予想される。

アップデートの適用方法と今後の展開

「KB5052093」はオプションアップデートであり、自動適用はされない。ユーザーはWindows Updateを通じて手動でダウンロード・インストールするか、Microsoft Update Catalogから直接入手する必要がある。これにより、ユーザーは新機能の導入を選択できるが、特定の不具合修正を求める場合は適用が推奨される。

今回のアップデートでは、スリープ解除後に音量が最大化される問題や、HDDがSSDとして誤認される不具合など、既知の問題が修正された。特に、ストレージ関連の誤認識問題はユーザーの混乱を招きかねず、今回の修正により正確なシステム管理が可能となった。

今後のアップデートでは、広告表示の拡大やOSのパフォーマンス向上が焦点となる可能性がある。Microsoftは、今後もWindows 11の機能追加を段階的に進める方針を示しており、ユーザーエクスペリエンスの向上と広告収益の最適化を両立させるための施策が引き続き展開されるだろう。

Source:PCWorld