Nvidiaの次世代GPU「RTX 5060 Ti」が、16GB版を3月、8GB版を4月に投入するとの情報が浮上した。Blackwellアーキテクチャを採用し、GDDR7メモリを搭載することで、VRAMの帯域幅を大幅に向上させる見込みだ。
消費電力は180Wとされ、前世代モデルと比較して抑えられた設計が特徴となる。価格は$400~$500程度と推測されるが、8GB版のメモリ容量が十分かどうかが注目点となりそうだ。一方で、標準版RTX 5060の投入時期は依然不透明であり、今回の発表がそのスケジュールにどのような影響を与えるかが焦点となる。
RTX 5060 Tiの仕様と発売スケジュール 16GB版と8GB版の違いとは

NvidiaのRTX 5060 Tiは、16GB版が3月後半、8GB版が4月前半に登場すると報じられている。これにより、ハイエンド志向のユーザーとコストパフォーマンスを重視するユーザーの双方に選択肢が提供されることになる。RTX 5060 TiはBlackwellアーキテクチャを採用し、GB206チップを搭載する見込みだ。
メモリバス幅は128ビットで、前世代のRTX 4060 Tiと同様の設計となるが、新たにGDDR7メモリを搭載することで、帯域幅の向上が期待される。VRAMの容量に関しては、16GB版がより高解像度のゲームプレイやクリエイティブ用途に適すると考えられる。
一方、8GB版はコストを抑えたモデルとして提供されるが、昨今のゲームの要求スペックを考慮すると、8GBでは不十分と感じるユーザーも少なくないだろう。Nvidiaはメモリの高速化によってボトルネックを解消すると見られるが、単純な容量不足が影響を及ぼす可能性もある。
また、消費電力については180Wとされ、前世代のRTX 4060 Ti(160W)と比較して増加しているものの、電力効率の向上が期待されている。電源コネクタについては、従来の8ピンタイプに加え、一部モデルで12V-2×6コネクタが採用される可能性がある。こうした仕様変更が、ユーザーのアップグレード選択にどのような影響を与えるのか注目される。
RTX 5060 Tiが市場にもたらす影響とVRAM問題の行方
RTX 5060 Tiの登場によって、ミドルレンジGPU市場は大きく変化する可能性がある。特に16GB版の登場は、これまでハイエンドモデルでしか実現しなかった大容量VRAMの普及を促すきっかけとなるかもしれない。RTX 4060 Tiの8GB版が市場で不評を買ったことを踏まえると、RTX 5060 Tiの8GB版が同様の評価を受ける可能性は否定できない。
一方で、GDDR7メモリの採用によって、従来のGDDR6よりも大幅な帯域幅向上が期待されている。RTX 4060 Tiの18Gbpsから、RTX 5060 Tiでは28Gbpsへと強化される可能性があるため、実際のパフォーマンスは単なるVRAM容量だけでは測れない部分もある。
しかしながら、最新のAAAタイトルや生成AIを活用したクリエイティブ用途では、VRAMの総容量が依然として重要な要素となることは確かだ。価格面では、RTX 5060 Tiの16GB版が$400~$500の範囲になると予測されている。
これは、RTX 4060 Tiの価格帯と同水準だが、VRAM容量が増強される点を考慮すれば、コストパフォーマンスの向上が期待できる。ただし、RTX 5070の価格が$549であることを考えると、RTX 5060 Tiの8GB版がどの程度の価格設定となるかは慎重に見極める必要がある。
また、RTX 5060(無印)の登場時期が明らかになっていない点も気になる。もしRTX 5060 Tiの8GB版が市場の主流となった場合、無印モデルの投入が遅れる可能性も考えられる。Nvidiaの戦略として、まず上位モデルを投入し、後から無印版を展開する形になるのか、今後の発表が待たれるところだ。
Source:TechRadar