2025年2月時点でWindows 11の市場シェアは38%に達し、1.35ポイント上昇した。これは2021年10月のリリース以来の過去最高であり、前年同月比では9.84ポイントの増加である。
イギリスではWindows 11がWindows 10を初めて逆転し、50.41%を記録。カナダでも両OSのシェア差が10%未満に縮まるなど、国別にみてもWindows 11への移行が進んでいる。
一方、Windows 10は58.83%と依然最大シェアを維持しているが、1.5ポイント減少した。サポート終了まで残り7ヶ月となり、今後さらに移行ペースが加速する可能性もある。
Windows 11の普及拡大を後押しするWindows 10のサポート終了と市場シェア動向

2025年2月時点で、Windows 11は全Windowsユーザーの38%に普及し、1.35ポイントの上昇を記録した。これは2021年10月の提供開始以来、最も高い水準に到達している。前年同月と比較しても9.84ポイントの増加が確認されており、Windows 11への移行が加速している状況にある。
一方で、Windows 10は58.83%のシェアを維持しているものの、2月には1.5ポイント減少した。サポート終了まで残り7ヶ月という期限が近づき、これがユーザーのOS移行を促進する一因となっている。カナダやイギリスといった国別動向を見ても、Windows 11への切り替えが進んでいる地域が増えてきたことが明らかである。
Windows 10は2025年10月に延長サポート終了を控え、法人・個人問わずシステム環境の刷新が求められる局面にある。企業においてはサポート切れによるセキュリティリスクを避けるため、計画的なWindows 11への移行が必須といえる。マイクロソフトが公式のインストールベースを開示しない中で、Statcounterのような第三者データの重要性も高まっている。
イギリス・カナダで顕著なシェア変動と地域ごとの移行傾向
Windows 11への移行は全世界で進行しているものの、国や地域ごとにそのペースには差が生じている。特にイギリスでは2025年2月時点でWindows 11が50.41%に達し、48.18%にとどまるWindows 10を初めて上回った。これによりイギリスは、主要国の中でもWindows 11がWindows 10を逆転した先行事例として注目を集める。
カナダにおいてもWindows 11のシェアは44.46%まで拡大し、Windows 10との差が10%未満に迫っている。こうした国々では、企業や個人の早期移行の動きが統計データにも表れており、特に法人部門での計画的な更新がシェア上昇を支えている可能性がある。
地域ごとのインフラ整備状況や、マイクロソフトが展開する移行支援施策の有無なども、こうした差異に影響していると考えられる。Windows 11のシェア拡大が進む国では、ハードウェア要件を満たすPC環境が比較的整っており、サポート終了に備えた対応が早期に進んでいる傾向が見受けられる。
サポート終了後を見据えた企業の移行計画と残存OSの影響
Windows 10の延長サポート終了が2025年10月に迫る中、多くの企業にとってWindows 11への計画的な移行は不可避の課題となっている。システム環境全体を見直す好機として、ハードウェア更改やクラウド移行といった包括的なIT戦略の一環として対応を進める企業も少なくない。
一方で、Windows 7が依然として2.3%のシェアを維持している点にも注目すべきである。Windows XPやWindows 8.1といった既にサポート終了済みOSもわずかながら存在し、これらの残存OSがセキュリティリスクを高める要因となっている。特に産業システムや専用機器では、依存度の高い旧OSからの移行が進みにくい状況も続いている。
Windows 11への移行は、単なるOS更新にとどまらず、企業IT基盤の強靭化や業務効率化にも直結する。サポート終了後のリスクを見据えつつ、単年度対応ではなく中長期視点でのIT戦略策定が求められている。
Source:Neowin