AMDが次世代ノートPC向けプロセッサ「Ryzen AI 400」シリーズに搭載するGPUについて、RDNA 3アーキテクチャを継続採用する可能性がWeiboのリーク情報により浮上した。Zen 6世代CPUを採用する「Medusa Point」では、上位デスクトップモデル「Medusa Ridge」がRDNA 5を視野に入れる中、ノートPC向けモデルには先進機能を備えたRDNA 4以降の搭載は見送られるとの観測である。
これにより、映像処理などを担うVCN(Video Core Next)の更新も停滞する可能性があり、NvidiaやIntelの最新GPUとの比較で機能面の差が拡大する懸念が高まる。AMDは以前からRDNA 4をデスクトップdGPU向けに限定する方針を示していたが、ノートPC向け「Medusa Point」のグラフィック強化が見送られた場合、ゲーミングノートやクリエイター用途での競争力低下も視野に入る。
一方、上位モデル「Medusa Halo」に関する詳細は依然不透明であるが、3D V-Cache対応やメモリ帯域強化など、次世代仕様への期待感が残る。RDNA 3世代が2世代続けて採用される可能性もあり、PC市場におけるAMDの戦略転換に注目が集まる。
AMD Ryzen AI 400 Medusa PointのGPU仕様に関する事実とリーク情報の背景

次世代ノートPC向けプロセッサ「AMD Ryzen AI 400 Medusa Point」について、WeiboでのリークによりGPU仕様に関する新たな事実が示された。今回のリークでは、同シリーズのグラフィックスにRDNA 3アーキテクチャが継続採用される見通しが伝えられ、従来想定されていたRDNA 4やRDNA 5への刷新は少なくともMedusa Pointにおいては実現しない可能性が浮上している。
この「Medusa Point」はZen 6世代のCPUを採用するノートPC向けラインであり、デスクトップ向け「Medusa Ridge」と並ぶ重要シリーズである。デスクトップモデルにはRDNA 5 iGPUが投入される方向性が示される一方、ノートPC向けモデルには前世代RDNA 3ベースのグラフィックスが維持されることで、性能面や機能面での格差が広がる構図となる。
さらに、AMDが過去に言及した「RDNA 4はデスクトップ向けdGPUに特化」という方針とも整合する形で、ノートPC市場におけるRDNA 3.5相当の継続使用はAMDのGPU戦略の延長線上にあると考えられる。VCN(Video Core Next)などの周辺技術にも更新の遅れが及ぶ可能性があり、映像処理やエンコード性能にも影響を与える要因となる。
RDNA 3ベースのグラフィックスが2世代連続で採用される可能性が生じたことで、ユーザーからの期待値や市場競争力にも変化が見られるかもしれない。特に次世代モデル「Medusa Halo」への仕様継承や、3D V-Cacheの活用に関する追加情報の有無が、今後の注目ポイントとなる。
AMDがノートPC向けGPU刷新を見送る背景と性能面の影響
AMDが次世代ノートPC向けプロセッサ「Ryzen AI 400 Medusa Point」においてGPU刷新を見送る背景には、デスクトップ向けRDNA 5への集中や、ノートPC市場における戦略的判断が複合的に絡んでいると考えられる。事実として、RDNA 4はデスクトップ向けdGPU専用アーキテクチャとして位置付けられ、ノートPC向けiGPUへの適用は当初から予定されていなかった。
また、RDNA 3から3.5へのマイナーアップグレードに留まる可能性が指摘される中、最新のFSR 4.0や新世代VCNといったRDNA 4由来の先進機能がノートPC向けには導入されないことで、特に映像編集やAI処理を重視するユーザー層にとって競争力の低下につながる可能性がある。
加えて、NvidiaやIntelが次世代モバイルGPUにAIアクセラレーションや高度なビデオエンコード機能を強化する中で、AMDがGPU性能向上よりもCPU性能やAI処理向上に重点を置く戦略にシフトしているとの見方も浮上する。高解像度映像処理やリアルタイムレイトレーシング性能といった分野では、競合との差が拡大する可能性が高く、エンドユーザーの用途によってはAMD製ノートPCの選択肢が狭まるリスクも考慮すべき局面にある。
Strix Halo後継モデルMedusa Haloの行方とノートPC市場に与える影響
次世代Ryzen AI 400シリーズにおいて、「Medusa Point」と並ぶ注目モデルが「Medusa Halo」である。事実として、この「Medusa Halo」は、前世代の「Strix Halo」の後継に位置付けられ、ハイエンドノートPC市場をターゲットとするモデルとされている。RDNA 3.5を搭載すると見られるが、より広帯域なメモリ構成や3D V-Cacheの活用により、性能強化が図られる可能性がある。
「Medusa Halo」の仕様については現時点で確定情報は少ないものの、AMDが同モデルにおいてグラフィックス刷新を見送った場合、ゲーミングノートPC市場やクリエイター向けモデルでの競争力維持に課題が生じる懸念も指摘される。特に、競合各社がAI機能統合やグラフィックス性能向上を軸にラインナップ強化を進める中で、AMDがCPUやAIアクセラレーション中心の強化に舵を切るのであれば、ユーザーの期待と実際の製品仕様にギャップが生じる可能性もある。
また、Medusa Haloが事実上、デスクトップ向けのRDNA 5やRDNA 4機能を一部取り込む形で差別化を図る可能性も否定できず、今後の仕様情報が明らかになるにつれ、市場に与える影響はより大きくなると考えられる。新しい3D V-Cacheの搭載や、メモリ帯域幅の拡張が具体化した場合には、性能面での逆転要素として注目されるだろう。
Source:Notebookcheck