Xiaomiが昨年中国市場で発表した「Pad 7 Pro」が、Snapdragon 8s Gen 3を搭載し、ついにグローバル市場へと進出した。このデバイスはAI機能を活用し、生産性とエンターテインメントを両立させるタブレットとして設計されている。

11.2インチの3.2Kディスプレイは144Hzリフレッシュレートに対応し、Dolby VisionやHDR10のサポートにより高品質な映像体験を提供。オーディオ面ではDolby Atmos対応の4スピーカーシステムを備え、臨場感あふれるサウンドを実現する。

カメラは背面50MPデュアル仕様を維持しつつ、フロントカメラを32MPに強化。バッテリー容量も8,850mAhに増加し、67W急速充電に対応。EU市場では499.90ユーロ(約8万円)から販売され、上位モデルは599.90ユーロ(約9.6万円)となる。

Snapdragon 8s Gen 3搭載の狙いと市場での立ち位置

Xiaomi Pad 7 Proは、Snapdragon 8s Gen 3を搭載し、上位ミッドレンジクラスに位置づけられる。このチップセットはフラッグシップモデルに用いられるSnapdragon 8 Gen 3には及ばないものの、AI機能を活用した高度な処理能力を備えており、マルチタスクやエンターテインメント用途に最適化されている。

競合と比較すると、RedMagic NovaやLenovo Legion Tablet 2025などのハイエンド機種には若干劣るものの、価格を抑えつつも十分な性能を提供する点が強みだ。特に、クリエイティブ作業やビジネス用途をターゲットにした製品戦略が見受けられる。XiaomiはPad 7 Proを通じて、タブレット市場におけるミッドレンジセグメントの需要を捉えようとしている。

Snapdragon 8s Gen 3の採用は、性能とコストのバランスを重視した結果と考えられる。最新のSoCを搭載しながらも、価格帯を抑えたモデルは、コストパフォーマンスを求めるユーザーにとって魅力的だ。タブレット市場では、アップルのiPadシリーズが依然として優勢だが、Android勢の中ではPad 7 Proが新たな選択肢として注目されるだろう。

AIとエンターテインメントを融合したユーザー体験

Xiaomi Pad 7 Proは、生産性向上とエンターテインメントの両立を掲げている。11.2インチの3.2K解像度ディスプレイは、144Hzのリフレッシュレートに対応し、映像の滑らかさを追求。さらに、Dolby VisionとHDR10のサポートにより、高品質な視聴体験が実現される。オーディオ面でもDolby Atmos対応の4スピーカーを搭載し、立体的な音響効果を提供する。

特筆すべきは、AI機能の活用である。XiaomiはPad 7 Proを「生産性を高めるツール」として位置づけており、AIを活用した作業支援機能を強化。例えば、メモの自動整理や文章要約機能など、スマートな作業環境を実現する工夫が施されている。タブレット市場では、こうしたAI機能の搭載が新たなトレンドとなっており、Pad 7 Proもその流れに沿った製品となっている。

エンターテインメント用途では、ストリーミングサービスやゲーム体験を重視。WiFi 7対応により、低遅延かつ高速な通信が可能となり、クラウドゲームやオンライン動画視聴に適した環境を整えている。タブレットとしての汎用性を高めることで、仕事から娯楽まで幅広い用途に対応できる点が、Pad 7 Proの強みと言える。

価格戦略と市場展開の可能性

Xiaomi Pad 7 Proは、EU市場で499.90ユーロ(約8万円)から販売され、上位モデルは599.90ユーロ(約9.6万円)となる。これは、ミッドレンジタブレットの中でも比較的高価格帯に位置し、上位モデルとの差別化を図りつつ、競争力を維持する戦略が見て取れる。

市場展開としては、まず欧州市場を中心に拡大を進めるとみられる。中国市場での成功を背景に、グローバル展開へとシフトする流れは、Xiaomiの他製品と共通する戦略だ。特に、価格に敏感な市場では、コストパフォーマンスに優れた製品が求められるため、Pad 7 Proがどの程度受け入れられるかが今後の焦点となる。

競合との関係では、Androidタブレット市場においてSamsung Galaxy TabシリーズやLenovoの製品と比較されることが多い。Xiaomiは高性能ながら価格を抑えたモデルを展開することで、特にコスト意識の高いユーザー層を取り込むことを狙っている。今後、他地域への展開が進めば、より幅広い市場での影響力が期待される。

Source:Notebookcheck